化学的有害因子(鉛, トルエン)曝露に対するリスク評価の試み

鉛曝露に対する生物学的評価指標として我が国(産衛)では血液中鉛, 尿中デルタアミノレブリン酸(ALA)及び血液中プロトポルフィリンが, 独のDFGでは血液中鉛と尿中ALAが, 米国のACGIHでは血液中鉛のみが用いられ, それぞれの数値が設定されている. これらの値が鉛曝露による健康リスクを評価する上で妥当であるか否かを検証するとともに, 新たな生物学的評価指標を検討する. 一方, トルエン曝露に対しては, その生物学的曝露指標として, 尿中代謝物(馬尿酸, o-クレゾール)が主に利用されてきたが, 最近では末梢血や尿中のトルエン自体に曝露指標としての関心が持たれている. そこで, 現在のトル...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 41; no. 5; p. 176
Main Authors 友国勝麿, 市場正良, 大石浩隆, 弥富美奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.1999
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ISSN1341-0725

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Summary:鉛曝露に対する生物学的評価指標として我が国(産衛)では血液中鉛, 尿中デルタアミノレブリン酸(ALA)及び血液中プロトポルフィリンが, 独のDFGでは血液中鉛と尿中ALAが, 米国のACGIHでは血液中鉛のみが用いられ, それぞれの数値が設定されている. これらの値が鉛曝露による健康リスクを評価する上で妥当であるか否かを検証するとともに, 新たな生物学的評価指標を検討する. 一方, トルエン曝露に対しては, その生物学的曝露指標として, 尿中代謝物(馬尿酸, o-クレゾール)が主に利用されてきたが, 最近では末梢血や尿中のトルエン自体に曝露指標としての関心が持たれている. そこで, 現在のトルエン許容濃度50ppm(188mg/立方メートル)の平均曝露に対応する生物学的曝露指標としての血液中並びに尿中トルエン濃度を, これまでfield studyを中心にまとめられた多くの文献を参考にして算出してみたい.
ISSN:1341-0725