当院における極細径気管支鏡の使用経験について

極細径気管支鏡(UTBF)は, 通常使用される気管支鏡より末梢の選択的な領域の検査や処置が期待されるので当院の使用経験を報告した. UTBFはオリンパス社製BF-XP40を使用した. 外径は2.8mmと非常に細く, 1.2mmの鉗子孔があり生検等の操作が可能である. 症例1は胸部X-P, CTで右S^8 に腫瘤影を認めた. 通常の気管支鏡(BF-200外径6.3mm)で異常なし. UTBFで6次気管支に腫瘍を可視し, 同部からの生検で甲状腺癌の肺転移と診断した. 症例2は右S^5 に結節影を認めた. CTガイド下でUTBFを誘導し病変に到達した. 9次気管支に閉塞所見を認め同部からの生検で炎症...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 22; no. 2; pp. 148 - 149
Main Authors 浅野文祐, 篠田徹, 松野祥彦, 松下知路
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.2000
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137

Cover

More Information
Summary:極細径気管支鏡(UTBF)は, 通常使用される気管支鏡より末梢の選択的な領域の検査や処置が期待されるので当院の使用経験を報告した. UTBFはオリンパス社製BF-XP40を使用した. 外径は2.8mmと非常に細く, 1.2mmの鉗子孔があり生検等の操作が可能である. 症例1は胸部X-P, CTで右S^8 に腫瘤影を認めた. 通常の気管支鏡(BF-200外径6.3mm)で異常なし. UTBFで6次気管支に腫瘍を可視し, 同部からの生検で甲状腺癌の肺転移と診断した. 症例2は右S^5 に結節影を認めた. CTガイド下でUTBFを誘導し病変に到達した. 9次気管支に閉塞所見を認め同部からの生検で炎症性瘢痕と診断した. UTBFは, より末梢の選択的な気管支の処置や観察に便利であった. 一方, 鉗子が開きにくい, 採取検体が小さいなどの問題点があった.
ISSN:0287-2137