ポリオ患者の補装具使用状況
「目的」北海道に在住するポリオ罹患者の装具使用状況と問題点を検討した. 「対象と方法」1998年厚生科学研究「脊髄神経障害性運動麻痺のリハビリテーション技術の開発研究」の一環として行われたアンケート調査で, 回答が得られた265名(男性117名, 女性148名)を対象とした. 屋外歩行の自立度, 経年的変化, 使用している補装具の種類, 満足度を検討した. 「結果」265名中補装具使用者は122名(46%)で, のべ361の補装具が使用されていた. 杖が最多(40.0%)で, 車椅子(32.1%), 靴(25.3%), 長下肢(22.6%), 短下肢(15.5%)の順で上肢装具は0.8%であっ...
Saved in:
Published in | リハビリテーション医学 Vol. 38; no. 10; p. 859 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.10.2001
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 「目的」北海道に在住するポリオ罹患者の装具使用状況と問題点を検討した. 「対象と方法」1998年厚生科学研究「脊髄神経障害性運動麻痺のリハビリテーション技術の開発研究」の一環として行われたアンケート調査で, 回答が得られた265名(男性117名, 女性148名)を対象とした. 屋外歩行の自立度, 経年的変化, 使用している補装具の種類, 満足度を検討した. 「結果」265名中補装具使用者は122名(46%)で, のべ361の補装具が使用されていた. 杖が最多(40.0%)で, 車椅子(32.1%), 靴(25.3%), 長下肢(22.6%), 短下肢(15.5%)の順で上肢装具は0.8%であった. 移動に補装具を必要とするものは屋内では45.9%, 屋外では55.6%であった. 70.4%の人が2年前に比べ歩行速度が低下しており, 足底肝胆があるものは52.1%であった. 装具の不満足度は下肢装具が約4割と高く, 車椅子は7.6%, 杖は14.2%であった. 「考察」ポリオ罹患者は高齢者が多く, 加齢や過用による下肢の筋力低下が, 下肢装具不適合の原因の1つと考えられた. 加齢とともに移動が障害される例が多くみられ, 下肢装具の軽量化や専門機関による適合チェックの組織化が必要である. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |