産業看護活動について

産業看護研究会は, 産業看護職の活動状況を把握し, 研究会活動の方向づけを検討するために, 過去2回アンケート調査を実施して(1978. 1984)活動を進めてきた. 今回は, 1988年安衛法が改正され, その後の推移を知ると共に産業看護活動の方向性を得るために第3回目のアンケート調査を実施したので報告する. 1.対象と方法は, 1994年5月現在近畿地方会会員の保健婦・看護婦164名を対象に, アンケート用紙を郵送配布し, 8月回収した. 回収数138名(保健婦72, 看護婦66), 回収率は84%であった. 2.就業状況では, 事業所に属する者65%, 健保組合26%, 企業外労働衛生機...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 38; no. 2; pp. 92 - 93
Main Authors 植本寿満枝, 上田美代子, 上田進子, 岡田治子, 船岡恵美子, 松本泉美, 中島美絵子, 志岐初子, 兵庫麻紗子, 野田悦子, 大脇多美代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.03.1996
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:産業看護研究会は, 産業看護職の活動状況を把握し, 研究会活動の方向づけを検討するために, 過去2回アンケート調査を実施して(1978. 1984)活動を進めてきた. 今回は, 1988年安衛法が改正され, その後の推移を知ると共に産業看護活動の方向性を得るために第3回目のアンケート調査を実施したので報告する. 1.対象と方法は, 1994年5月現在近畿地方会会員の保健婦・看護婦164名を対象に, アンケート用紙を郵送配布し, 8月回収した. 回収数138名(保健婦72, 看護婦66), 回収率は84%であった. 2.就業状況では, 事業所に属する者65%, 健保組合26%, 企業外労働衛生機関・他9%であった. 3.業務内容は保健指導, 健康相談に90%以上が携わり, 80%以上の者は定健の企画から処理, 事後管理, 記録・報告, 健康教育に関わり, いづれも前回より10%の増をみた. また, 前回より20%の増をみたのは, 健康づくり, 検査介助などだった. 一方, 10%の減少をみたのは, 衛生保護具・救急用具の点検・整備, 職場巡視, 等であった. また, 今回新規業務としてTHP事業に30%, メンタルヘルスケアに60%が携わっていた. 積極的な健康づくり活動が増えた一方, 労働現場への働きかけがやや消極的となっていた. 4.所持資格ではTHP関連の産業保健指導者54%, 心理相談員41%で, 衛生管理者免許は71%(前回57%)と大幅な伸びを示した. 今後の産業看護活動は, THPの目指す方向に沿って, 健康の確保, 快適職場へとより広い産業保健活動への働きかけがせまられているように思われた. 更に検討を重ねて産業看護活動を進めたい.
ISSN:1341-0725