富山県むし歯予防パーフェクト作戦事業の成果について(第2報)

本県では「歯の健康プラン」を基に, 平成7年度から妊娠期から学童期までを対象とし, フッ化物応用を含めた総合的な『むし歯予防パーフェクト作戦事業』を市町村実施主体で展開している. 今回は事業開始10年目を迎えた事業の成果などについて評価を行った. 事業は, (1)乳歯むし歯予防事業を基本とし, (2)保育所, 幼稚園永久歯むし歯予防事業, (3)小中学校永久歯むし歯予防事業, (4)妊婦歯科健診事業の3つを選択事業として実施するものである. 平成13年度に乳歯むし歯予防事業を実施していた24市町村(実施群)の平成15年度3歳児歯科健診のう蝕有病者率が30.3%, dftが1.2本であるのに対し...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 55; no. 2; p. 126
Main Authors 竹内智子, 和田康志, 湊勝美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.04.2005
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ISSN0023-2831

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Summary:本県では「歯の健康プラン」を基に, 平成7年度から妊娠期から学童期までを対象とし, フッ化物応用を含めた総合的な『むし歯予防パーフェクト作戦事業』を市町村実施主体で展開している. 今回は事業開始10年目を迎えた事業の成果などについて評価を行った. 事業は, (1)乳歯むし歯予防事業を基本とし, (2)保育所, 幼稚園永久歯むし歯予防事業, (3)小中学校永久歯むし歯予防事業, (4)妊婦歯科健診事業の3つを選択事業として実施するものである. 平成13年度に乳歯むし歯予防事業を実施していた24市町村(実施群)の平成15年度3歳児歯科健診のう蝕有病者率が30.3%, dftが1.2本であるのに対し, 未実施の9市町村(未実施群)の有病者率が39.5%, dftは1.7本と, 3歳児のう蝕有病状況は実施群のほうが良好であった. 平成7年度に対する抑制率は, 実施群の有病率で41.1%, dftで47.8%(未実施群はそれぞれ25.8%, 37.0%)と大きく, 基本事業の成果が認められた. しかし, 比較的人口規模の大きい市町で基本事業の取り組みが遅れており, 県全体としてみると実施群にみられるような改善が得られないことや, 全体的に選択事業の取り組みが進んでいないことなどの課題があり, 今後課題解決に向けてさらに検討していきたい.
ISSN:0023-2831