糖尿病性末梢神経障害の電気生理学的検査
「目的」糖尿病患者の下肢末梢神経障害を電気生理学的検査で評価するにあたり, 脛骨神経伝導速度(T-MCV), 腓腹神経伝導速度(S-SCV), 短趾伸筋の安静時自発電位の有無(SA)の診断意義を検討する. 「対象と方法」対象は糖尿病性末梢神経障害患者37名(42~93歳, 平均63.7歳)とした. 末梢神経障害の電気生理学的クライテリアは神経伝導速度査にて, T-MCVが40m/sec未満, S-SCVが40m/sec未満またはNo Evoked Responce, 針筋電図にて短趾伸筋に安静時自発電位が出現, の3項目のうち少なくとも1項目が該当することとし, 他の疾患による障害が疑わしいも...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 35; no. 11; p. 836 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1998
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」糖尿病患者の下肢末梢神経障害を電気生理学的検査で評価するにあたり, 脛骨神経伝導速度(T-MCV), 腓腹神経伝導速度(S-SCV), 短趾伸筋の安静時自発電位の有無(SA)の診断意義を検討する. 「対象と方法」対象は糖尿病性末梢神経障害患者37名(42~93歳, 平均63.7歳)とした. 末梢神経障害の電気生理学的クライテリアは神経伝導速度査にて, T-MCVが40m/sec未満, S-SCVが40m/sec未満またはNo Evoked Responce, 針筋電図にて短趾伸筋に安静時自発電位が出現, の3項目のうち少なくとも1項目が該当することとし, 他の疾患による障害が疑わしいものは除外した. 「結果と考察」電気生理学的検査にて末梢神経障害と診断された37名のうち, T-MCVが40m/sec未満のものは33名, S-SCVが40m/sec未満またはNo Evoked Responseのもの28名, 短趾伸筋に安静時自発電位を認めたもの16名とT-MCVが最も感受性が高かった. また, 健常人との比較においてT-MCVは糖尿病性末梢神経障害の診断に対する特異性も高く, スクリーニング検査として適していると思われた. S-SCV,SAはMCVに比較してより重度化した症例で異常となることが推測され, MCV検査にてスクリーニングを行い, S-SCV,SAなどとあわせて重症度を判断していくことが適当であると思われた. |
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ISSN: | 0034-351X |