PCPSの長期使用における, 人工肺結露による酸素化能低下防止策の一考案
現在, 経皮的心肺補助法(PCPS)は, 救急救命, 集中治療および手術領域にて緊急時の心肺蘇生や呼吸循環補助として使用され, 比較的長期に使用されることがある. そのため, 多孔質膜人工肺からの血漿リークおよび人工肺結露が生じ, これらが酸素化能低下の原因となる. 今回我々は, PCPS施行中に人工呼吸器に使用している加温加湿器を用いて, 人工肺への吹送ガスを加温し相対湿度の低いガスを作り, 人工肺中空糸のmicroporeの親水化を防ぐことで人工肺結露および血漿漏出を防ぎ酸素化能低下の予防に効果があるのではないかと考え, 吹送ガス加温回路を作製し, 臨床使用した. また吹送ガスの加温による...
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| Published in | 体外循環技術 Vol. 32; no. 1; pp. 50 - 52 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本体外循環技術研究会
01.03.2005
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| ISSN | 0912-2664 |
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| Summary: | 現在, 経皮的心肺補助法(PCPS)は, 救急救命, 集中治療および手術領域にて緊急時の心肺蘇生や呼吸循環補助として使用され, 比較的長期に使用されることがある. そのため, 多孔質膜人工肺からの血漿リークおよび人工肺結露が生じ, これらが酸素化能低下の原因となる. 今回我々は, PCPS施行中に人工呼吸器に使用している加温加湿器を用いて, 人工肺への吹送ガスを加温し相対湿度の低いガスを作り, 人工肺中空糸のmicroporeの親水化を防ぐことで人工肺結露および血漿漏出を防ぎ酸素化能低下の予防に効果があるのではないかと考え, 吹送ガス加温回路を作製し, 臨床使用した. また吹送ガスの加温による乾燥ガスの最適な設定を模索した. 人工肺microporeの結露予防もしくは, 乾燥状態を保つ条件にはガス温が高いほど, ガス流量が多いほど有効であった. 臨床使用ではフラッシュ操作なしで, 長期使用することができた. |
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| ISSN: | 0912-2664 |