Debonding時における歯面粗さコントロール法の検討

〔目的〕矯正治療後のブラケット装置の撤去(debonding)時に, レジンの残余や生じたキズの修復処理が不十分な場合, 着色やプラークの蓄積促進が懸念され, 二次的な口腔疾患の罹患が危惧される. 従って, debondingに適切な研磨を施す事が望まれる. Debondingに適した研磨器具, 方法を検討する第一段階として, 規定された条件下における研磨器具, 方法による処理後の歯面状態を調査した. 〔方法〕ヒト小臼歯抜去歯を32本用意し, それぞれを高さ10ミリのアクリル筒に唇面を上面に向け, 固定した. それぞれの唇面をブラシコーンを用い, 研磨材なしで十分に清掃した後, 各歯3か所ずつ...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 20; no. 4; pp. 498 - 499
Main Authors 粕谷景子, 宮崎芳和, 薄井俊朗, 槇宏太郎, 柴崎好伸, 李元植, 宮崎隆, 佐野恒吉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 30.12.2000
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ISSN0285-922X

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Summary:〔目的〕矯正治療後のブラケット装置の撤去(debonding)時に, レジンの残余や生じたキズの修復処理が不十分な場合, 着色やプラークの蓄積促進が懸念され, 二次的な口腔疾患の罹患が危惧される. 従って, debondingに適切な研磨を施す事が望まれる. Debondingに適した研磨器具, 方法を検討する第一段階として, 規定された条件下における研磨器具, 方法による処理後の歯面状態を調査した. 〔方法〕ヒト小臼歯抜去歯を32本用意し, それぞれを高さ10ミリのアクリル筒に唇面を上面に向け, 固定した. それぞれの唇面をブラシコーンを用い, 研磨材なしで十分に清掃した後, 各歯3か所ずつ, 唇面長軸方向に中心線平均粗さを計測した. 次に, オルソマイトスーパーボンドを用い, 使用説明書に従い各歯にメタルブラケットをbondingした. 48時間, 36℃の水中に保存後, ブラケットリムーバーにてブラケットを除去した後, 32個の試料を2個ずつ16種類の方法でレジン除去及び仕上げ研磨を行い, 再び各歯3か所ずつ唇面長軸方向に中心線平均粗さを計測した. 計測後, 各群の典型的SEM像撮影を行った. 〔結果〕Bonding前と研磨後の中心線平均粗さの割合はSB群(ラウンドバーのみを使用したもの)のみ100%を上回り, その値は200%近いものであった. また各群のSEM像より, 研磨後の状態を分類する事ができた. 〔結論〕(1)ラウンドバーの後のステップは省略してはならない. (2)コンポジットポリッシングシステムを40gで使用したものが理想のdebondingに近いと考えられる. (3)研磨ペーストを使用するものではエナメル表層に余剰レジンの残余を認めた.
ISSN:0285-922X