瘢痕・肉芽性気道狭窄に対する気管・気管支形成術
〔目的〕瘢痕・肉芽性気道狭窄(気道狭窄)の治療としての気管気管支形成術(形成術)の意義を検討した. 〔対象〕1993年12月末までの形成術は277例で, うち気道狭窄に対する形成術は41例であった. 対象疾患は気管切開後狭窄(気切後狭窄)19例, 気管気管支結核17例, 外傷性狭窄(外傷)5例であった. 〔結果〕気切後狭窄での狭窄部は声門下腔狭窄(SGS)5例, 輪状軟骨下狭窄(ICS)3例, 切開口部狭窄(SSS)7例, カフ部狭窄(CSS)6例, チューブ先端狭窄(TTS)3例で, 多局在性狭窄4例であった. 結核性狭窄では左主気管支局在が12例で, 多局性が13例であった. 気管レベル以...
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          | Published in | 気管支学 Vol. 16; no. 3; p. 234 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本気管支学会
    
        01.05.1994
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| ISSN | 0287-2137 | 
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| Summary: | 〔目的〕瘢痕・肉芽性気道狭窄(気道狭窄)の治療としての気管気管支形成術(形成術)の意義を検討した. 〔対象〕1993年12月末までの形成術は277例で, うち気道狭窄に対する形成術は41例であった. 対象疾患は気管切開後狭窄(気切後狭窄)19例, 気管気管支結核17例, 外傷性狭窄(外傷)5例であった. 〔結果〕気切後狭窄での狭窄部は声門下腔狭窄(SGS)5例, 輪状軟骨下狭窄(ICS)3例, 切開口部狭窄(SSS)7例, カフ部狭窄(CSS)6例, チューブ先端狭窄(TTS)3例で, 多局在性狭窄4例であった. 結核性狭窄では左主気管支局在が12例で, 多局性が13例であった. 気管レベル以上の気道狭窄度の評価にはEmpey指標を用いた. 試行した術型は喉頭気管吻合(LT)5例, 気管吻合(TT)17例, 気管分岐部再建(CR)9例, 全剔スリーブ/ウエッジ(SP/WP)2例, 気管支吻合の葉切スリーブ(SL)1例, 気管支環状切除(SR)3例であった. SGSの3例に輪状軟骨亜全摘による甲状軟骨気管吻合(L_T T)を試行し, 気道と発声の両機能を温存できた. 気管分岐部にまたがる左主気管支結核で7例に一葉犠牲にしたone stoma型分岐部再建(CR_o )で全剔を回避できた. 術後合併症は肉芽狭窄3例うち1例は左主幹で吻合したCR_o で過大張力と考えられた. 吻合部浮腫1例, 声門浮腫1例, リークのIII型吻合不全1例であった. 術死1例であった. 〔結語〕上位気道狭窄に対しLTで気道喉頭両機能温存が又左主幹狭窄に対し一葉犠牲のCR_o で全剔回避できた. | 
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| ISSN: | 0287-2137 |