緊急的気道病変に対する緊急内視鏡治療
緊急的気道病変は, その対応が遅れると呼吸器症状の急速な重篤化あるいは致命的となる. われわれは, 各種気道疾患による気道閉塞および大量喀血に対して, とくに緊急的内視鏡治療を施行し, その臨床的検討を行った. 対象と方法:対象は, 大量喀血1例, 悪性腫瘍による気道閉塞4例, 良性病変による気道閉塞3例, 気管支鏡検査後気道出血による窒息1例, 気道内異物6例の計15例である. 結果:呼吸困難・チアノーゼを呈した症例は12例, とくに左肺摘除後気管支鏡検査後気道出血症例は, 窒息による呼吸停止例であった. 内視鏡的治療法としては, YAGレーザー治療7例, 高周波メス切除1例, 異物・生検鉗...
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          | Published in | 気管支学 Vol. 16; no. 3; p. 266 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本気管支学会
    
        01.05.1994
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| ISSN | 0287-2137 | 
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| Summary: | 緊急的気道病変は, その対応が遅れると呼吸器症状の急速な重篤化あるいは致命的となる. われわれは, 各種気道疾患による気道閉塞および大量喀血に対して, とくに緊急的内視鏡治療を施行し, その臨床的検討を行った. 対象と方法:対象は, 大量喀血1例, 悪性腫瘍による気道閉塞4例, 良性病変による気道閉塞3例, 気管支鏡検査後気道出血による窒息1例, 気道内異物6例の計15例である. 結果:呼吸困難・チアノーゼを呈した症例は12例, とくに左肺摘除後気管支鏡検査後気道出血症例は, 窒息による呼吸停止例であった. 内視鏡的治療法としては, YAGレーザー治療7例, 高周波メス切除1例, 異物・生検鉗子使用6例, double lumen tube留置1例であった. これらの内視鏡的治療は, 一例を除いてすべて有効であった. 無効例は, 繰り返す大量喀血症例で, 気管支fiberscopeおよびdouble lumen tubeを留置しbaloonによる止血を試みたが, 改善されず緊急的開胸術を施行し救命し得た. 結論:緊急的気道病変はきわめて多彩であり, 個々の症例に応じて緊急的内視鏡治療の適応およびアプローチを迅速かつ的確に判断し, 観血的外科治療の準備体制のもとで施行することが肝要である. | 
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| ISSN: | 0287-2137 |