甲状腺機能亢進症の治療により縮小した胸腺肥大の1例
症例は31歳, 男性. 1999年9月より両上肢の脱力あり, 内分泌検査より近医で甲状腺機能亢進症と診断され, 治療開始. 脱力感改善しないため, 10月30日当科紹介入院. 入院時甲状腺両葉の腫大を認め, 神経学的所見は異常なかった. 両上肢脱力の原因として, 周期性四肢麻痺や悪性腫瘍随伴症候群を疑い, 全身検索を行った. 胸部CTにて甲状腺シンチで取り込みのない上縦隔腫瘤を認めた. CT下経皮針生検にて胸腺肥大と診断. 甲状腺機能亢進症の治療によりTSHリセプター抗体は66.6%から46.7%へ低下し, 胸腺肥大もほぼ消失. TSHリセプター抗体の低下が経過中認められており, 甲状腺機能亢...
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Published in | 気管支学 Vol. 22; no. 4; p. 317 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.05.2000
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 症例は31歳, 男性. 1999年9月より両上肢の脱力あり, 内分泌検査より近医で甲状腺機能亢進症と診断され, 治療開始. 脱力感改善しないため, 10月30日当科紹介入院. 入院時甲状腺両葉の腫大を認め, 神経学的所見は異常なかった. 両上肢脱力の原因として, 周期性四肢麻痺や悪性腫瘍随伴症候群を疑い, 全身検索を行った. 胸部CTにて甲状腺シンチで取り込みのない上縦隔腫瘤を認めた. CT下経皮針生検にて胸腺肥大と診断. 甲状腺機能亢進症の治療によりTSHリセプター抗体は66.6%から46.7%へ低下し, 胸腺肥大もほぼ消失. TSHリセプター抗体の低下が経過中認められており, 甲状腺機能亢進症に伴う胸腺肥大には, TSHリセプターの関連する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0287-2137 |