夫婦関係相談の世代別特徴‐当センターの電話相談から

当センターの最近3年間の夫婦関係相談計2,269件と平成元年度の夫婦関係相談568件を対象とし, 内容と割合の比較を行った(最近3年間については相談者を若年(20~30代), 中年(40~50代), 高齢者(60~70代)の3つの世代に分類). 1. 最近3年間の相談から1)若年夫婦は離婚を考える傾向が強い. また『親離れ子離れ』がテーマの相談が多い. 2)中年夫婦に目立つのは金銭問題と親族にかかわるものである. 不貞問題も他の世代より多い. 3)高齢者夫婦では「不和」を訴えるものが多いわりに離婚を考える率は3世代中の最低で, 別居はしたくても離婚は望まない気持ちが現れていた. 2. 相談全体...

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Published inこころの健康 Vol. 20; no. 1; p. 77
Main Authors 西川瑞枝, 牧谷孝子, 長谷川理絵子, 善養寺圭子, 村田忠良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本精神衛生学会 10.06.2005
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ISSN0912-6945

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Summary:当センターの最近3年間の夫婦関係相談計2,269件と平成元年度の夫婦関係相談568件を対象とし, 内容と割合の比較を行った(最近3年間については相談者を若年(20~30代), 中年(40~50代), 高齢者(60~70代)の3つの世代に分類). 1. 最近3年間の相談から1)若年夫婦は離婚を考える傾向が強い. また『親離れ子離れ』がテーマの相談が多い. 2)中年夫婦に目立つのは金銭問題と親族にかかわるものである. 不貞問題も他の世代より多い. 3)高齢者夫婦では「不和」を訴えるものが多いわりに離婚を考える率は3世代中の最低で, 別居はしたくても離婚は望まない気持ちが現れていた. 2. 相談全体に問題が占める割合の変化(最近3年間と平成元年度の比較から)1)「不倫, 浮気」の問題は, 29%から19%に減っていた. 2)「不和」の問題は, 31.7%から55%に増加していた. 3)「暴力」「親族」問題はどちらも5%から11%と2倍強の増加であった.
ISSN:0912-6945