肺野病変を有するサルコイドーシスの胸部CTの経時的変化に関する検討

(目的)肺野病変を有するサルコイドーシスの初回胸部CT所見と, ステロイド非使用下での経時的変化の関係について後ろ向き検討を行った. (対象・方法)肺野病変を有するサルコイドーシス21例につき, 肺野病変発見時の胸部CT所見を1)気管支壁肥厚, 2)血管影腫大, 3)胸膜病変, 4)小葉間隔壁肥厚, 5)小粒状影, 6)スリガラス陰影, 7)小葉中心性陰影, 8)コンソリデーション, 9)結節影, 10)収縮性変化, 11)リンパ節腫脹の11項目に分けた. 各項目別に程度を3段階で評価し, 平均50.1ヶ月の観察期間における可逆性を評価した. また画像所見全体としての経時的変化について改善群と...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 21; no. 2; p. 42
Main Authors 齋藤渉, 小林英夫, 三村敬司, 小原一葉, 新海正晴, 車川寿一, 叶宗一郎, 元吉和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 18.09.2001
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ISSN1345-0565

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Summary:(目的)肺野病変を有するサルコイドーシスの初回胸部CT所見と, ステロイド非使用下での経時的変化の関係について後ろ向き検討を行った. (対象・方法)肺野病変を有するサルコイドーシス21例につき, 肺野病変発見時の胸部CT所見を1)気管支壁肥厚, 2)血管影腫大, 3)胸膜病変, 4)小葉間隔壁肥厚, 5)小粒状影, 6)スリガラス陰影, 7)小葉中心性陰影, 8)コンソリデーション, 9)結節影, 10)収縮性変化, 11)リンパ節腫脹の11項目に分けた. 各項目別に程度を3段階で評価し, 平均50.1ヶ月の観察期間における可逆性を評価した. また画像所見全体としての経時的変化について改善群と非改善群に分け, 初回CT所見との関係を検討した. (結果)各項目では, 小粒状影, スリガラス陰影, 小葉中心性陰影, 結節影は可逆性が高く, 胸膜病変, 収縮性変化は可逆性が低かった. 画像所見全体としては胸膜病変と収縮性変化の強いものは非改善傾向(p<0.05)だった. (結論)サルコイドーシスの肺野病変の発見時CT所見からその後の経過を予測する上で, 胸膜病変と肺野の収縮性変化の項目が有用であることが示唆された.
ISSN:1345-0565