白血病における血小板の輸血スケジュールと投与単位数に関する検討

血小板輸血は急性白血病の支持療法として広く認められている. 20,000/立方ミリメートル以下の血小板では出血傾向は必発といわれており, 血小板の産生が全くないと仮定した成人において20,000/立方ミリメートルの血小板を維持するためには, 理論上は10~20単位(U)の血小板を輸血すれば十分である. しかし, 実地臨床上では抗血小板抗体が存在しないにもかかわらず, しばしば期待値ほど血小板数が増加しない場合もあり, それを恐れるあまり過剰投与になってしまうことさえみられる. そこで我々は効果的かつ過剰でない適正な血小板輸血単位数の検討を行った. また, 妊娠や頻回輸血によって血小板輸血不応状...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 6; pp. 784 - 787
Main Authors 八田善弘, 馬場真澄, 大島年照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1990
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ISSN0546-1448

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Summary:血小板輸血は急性白血病の支持療法として広く認められている. 20,000/立方ミリメートル以下の血小板では出血傾向は必発といわれており, 血小板の産生が全くないと仮定した成人において20,000/立方ミリメートルの血小板を維持するためには, 理論上は10~20単位(U)の血小板を輸血すれば十分である. しかし, 実地臨床上では抗血小板抗体が存在しないにもかかわらず, しばしば期待値ほど血小板数が増加しない場合もあり, それを恐れるあまり過剰投与になってしまうことさえみられる. そこで我々は効果的かつ過剰でない適正な血小板輸血単位数の検討を行った. また, 妊娠や頻回輸血によって血小板輸血不応状態に陥った患者では出血が生命予後の重要な因子であり, かかる患者においてはどのような血小板輸血方法がよいのかも合わせて検討した.
ISSN:0546-1448