子どものメンタルヘルス支援システムのあり方(その3)‐支援者・機関を利用した母親への質的調査から

メンタルヘルス問題をもつ子どもの親が教育, 医療, 福祉, 保健領域の支援者, 支援機関を利用した際, 専門職の関わりが親の対処過程に与えるさまざまな影響を明らかにするため, 平成14年10~12月, 東京, 神奈川, 千葉の不登校, 発達障害の子どもをもつ親の会を中心にフォーカスグループ, インタビュー調査を行った. 対応内容, 回復のきっかけ等について, 1~1時間半の半構造化インタビューを行い, 逐語記録により親の対処過程に肯定的/否定的影響を与えるカテゴリーを分析した. 回答者25人は全員母親で, 子どもは27人(平均年齢17.0歳;SD=5.3;範囲9~31歳;男20, 女7), 不...

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Published inこころの健康 Vol. 19; no. 1; pp. 92 - 93
Main Authors 雨宮由紀枝, 寺岡満里, 大津一義, 浜田友子, 早川和子, 阿部裕, 中町芙佐子, 磯部祥子, 吉川菜穂子, 山田浩平, 立川順子, 渡辺慎二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本精神衛生学会 10.06.2004
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ISSN0912-6945

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Summary:メンタルヘルス問題をもつ子どもの親が教育, 医療, 福祉, 保健領域の支援者, 支援機関を利用した際, 専門職の関わりが親の対処過程に与えるさまざまな影響を明らかにするため, 平成14年10~12月, 東京, 神奈川, 千葉の不登校, 発達障害の子どもをもつ親の会を中心にフォーカスグループ, インタビュー調査を行った. 対応内容, 回復のきっかけ等について, 1~1時間半の半構造化インタビューを行い, 逐語記録により親の対処過程に肯定的/否定的影響を与えるカテゴリーを分析した. 回答者25人は全員母親で, 子どもは27人(平均年齢17.0歳;SD=5.3;範囲9~31歳;男20, 女7), 不登校, ひきこもり13, 発達障害16(うち自閉症12)であった. 調査より, 専門職による傷つき体験の回避, 具体的, 実際的な助言, 助言グループと専門機関の連携の重要性が示唆され, 親自身が状況を理解し自ら解決しようと思える親支援のあり方を考察した.
ISSN:0912-6945