クロロキン処理による血小板及び, 血小板抽出抗原を用いた血小板酵素抗体法の基礎的検討

血小板膜上には, 血小板特異抗原とHLAクラスI抗原が存在している. 今回, 選択的に血小板特異抗原の検出を目的として, 血小板及び, 血小板抽出抗原をクロロキン処理によりHLAクラスI抗原を除去後, 血小板抗原を酵素抗体法にて検討した. 当センターで作製した血小板モノクローナル抗体のYu3-51-16(GPIIb/IIIa), HLAクラスIモノクローナル抗体のTOK39-1と, 血小板, 血小板抽出抗原との反応は, Yu3-51-16(GPIIb/IIIa)は両者同等の陽性反応を示した. TOK39-1(HLAクラスI)は両者陰性反応を示し, HLAクラスI抗原は認めなかった. アロ抗血清...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 1; p. 139
Main Authors 成瀬妙子, 荒木延夫, 能勢義介, 清水準也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1990
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ISSN0546-1448

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Summary:血小板膜上には, 血小板特異抗原とHLAクラスI抗原が存在している. 今回, 選択的に血小板特異抗原の検出を目的として, 血小板及び, 血小板抽出抗原をクロロキン処理によりHLAクラスI抗原を除去後, 血小板抗原を酵素抗体法にて検討した. 当センターで作製した血小板モノクローナル抗体のYu3-51-16(GPIIb/IIIa), HLAクラスIモノクローナル抗体のTOK39-1と, 血小板, 血小板抽出抗原との反応は, Yu3-51-16(GPIIb/IIIa)は両者同等の陽性反応を示した. TOK39-1(HLAクラスI)は両者陰性反応を示し, HLAクラスI抗原は認めなかった. アロ抗血清の抗Sibaは, クロロキン処理血小板のOD値が1.150と陽性反応を示したが, クロロキン処理血小板抽出抗原は, 明らかなOD値の低下を認めた. このことより, 血小板酵素抗体法は血小板特異抗体の検出に有用であると考えられるが, 血小板抽出抗原は, 今後さらに検討の必要があると思われる.
ISSN:0546-1448