腰椎椎間板ヘルニアが変性側弯にあたえる影響

【目的】腰椎の変性側弯の発生機序, 病態についてはさまざまな報告があり, その発生要因に椎間板や椎間関節があげられる. 椎間板が左右不均衡に変性した結果, 側弯が生じるのであれば片側に椎間板ヘルニアを生じた症例を評価することで椎間板の変性が側弯に与える影響を解明できると考え追跡調査した. 【対象と方法】1981年以降, 当院において椎間板ヘルニアに対して顕微鏡下椎間板摘出術を行った症例は740例に達した. そのうち10年以上follow upできた79例について検討した. 術前画像よりヘルニアの高位と左右の局在, 術後のX-Pより椎間板の楔状化を計測した. 【結果】L4/5に椎間板ヘルニアを生...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 11; no. 1; p. 220
Main Authors 稲田充, 坪内俊二, 松永寛, 夏目英雄, 鈴木信治, 青木一治, 木村新吾, 友田淳雄, 上原徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 30.09.2005
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ISSN1345-9074

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Summary:【目的】腰椎の変性側弯の発生機序, 病態についてはさまざまな報告があり, その発生要因に椎間板や椎間関節があげられる. 椎間板が左右不均衡に変性した結果, 側弯が生じるのであれば片側に椎間板ヘルニアを生じた症例を評価することで椎間板の変性が側弯に与える影響を解明できると考え追跡調査した. 【対象と方法】1981年以降, 当院において椎間板ヘルニアに対して顕微鏡下椎間板摘出術を行った症例は740例に達した. そのうち10年以上follow upできた79例について検討した. 術前画像よりヘルニアの高位と左右の局在, 術後のX-Pより椎間板の楔状化を計測した. 【結果】L4/5に椎間板ヘルニアを生じた症例は, 41例であった. そのうち楔状化を生じた症例は9例であり(21%), 楔状化の程度は5~8°(平均6.8°)であった. L5/S1に生じた症例は, 32例であり, 楔状化を生じた症例は2例(6%)で楔状化の程度は5°と8°であった.
ISSN:1345-9074