ポリオ後症候群の臨床像とリハビリテーション

ポリオ罹患後数十年の後, 新たに筋力低下や関節痛を来たす症例が増加しており, ポリオ後症候群として報告が増加している. 当科で経験したポリオ後症候群の臨床的特徴とリハビリテーションについて考察する. 当科では, 骨格筋CT, 針筋電図, 骨格, 歩行分析, 体重変化, 日常生活活動量等の測定を行った. 針筋電図では, 脱神経変化を伴う神経原性変化を認め, 骨格筋CTでは, 筋の脂肪変性と筋萎縮を認めた. 各症例に対し, 装具の作製, 歩行訓練, 日常生活指導, 栄養指導等を行った. 装具は, 内反尖足に対する足底板, 変形性膝関節症に対する膝装具の処方, 歩行訓練では極端な片脚荷重の補整等をす...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 10; p. 703
Main Authors 新名直樹, 眞野行生, 中馬孝容, 菅田忠夫, 白土修, 渡部一郎, 丸石正治, 土田隆政, 伊藤俊一, 高橋尚明, 隈元庸夫, 長嶋淑子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.10.1998
Online AccessGet full text
ISSN0034-351X

Cover

More Information
Summary:ポリオ罹患後数十年の後, 新たに筋力低下や関節痛を来たす症例が増加しており, ポリオ後症候群として報告が増加している. 当科で経験したポリオ後症候群の臨床的特徴とリハビリテーションについて考察する. 当科では, 骨格筋CT, 針筋電図, 骨格, 歩行分析, 体重変化, 日常生活活動量等の測定を行った. 針筋電図では, 脱神経変化を伴う神経原性変化を認め, 骨格筋CTでは, 筋の脂肪変性と筋萎縮を認めた. 各症例に対し, 装具の作製, 歩行訓練, 日常生活指導, 栄養指導等を行った. 装具は, 内反尖足に対する足底板, 変形性膝関節症に対する膝装具の処方, 歩行訓練では極端な片脚荷重の補整等をすることが多く, 日常生活指導としては, 過負荷にならないように, CPKをフォローし, 万歩計にて活動量をモニターした. 最近10年で10kg程度の体重増加を来していることが約半例に認められ継続した栄養指導を受けてもらっている. 処方する内容は, 各症例により異なるが, それらにより, 筋肉痛や関節痛に改善を認めているので報告する.
ISSN:0034-351X