下腿義足に工夫を要した両下腿熱傷患者の1例

「症例」30歳, 女性. 「現病歴」生後6ヵ月熱傷のため両足部の切断術を施行され, 両下腿変形治癒し両下腿義足を使用していた. 義足使用により潰傷を生じ, 義足の再製作目的で平成11年10月当科入院となった. 「義足」両側共にPTB式サイム義足に準じた下腿義足とし, 足部にはシアトルフットSFH120を採用した. 膝蓋靱帯部や足部付近にしばしば潰傷を生じるため, 圧分布に工夫が必要であり, ソケットは二重にしてできる限り1カ所への圧の集中を避け, かつ足底部の免荷を行った. さらに断端の形状は断端末の方が大きいため, ソケットの走路に空間を作り着脱を容易にした. また自室内の義足非装着での移動...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 1; pp. 71 - 72
Main Authors 小川清洋, 千坂洋巳, 大峯三郎, 蜂須賀研二, 荒井光男, 荒井謙司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2001
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ISSN0034-351X

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Summary:「症例」30歳, 女性. 「現病歴」生後6ヵ月熱傷のため両足部の切断術を施行され, 両下腿変形治癒し両下腿義足を使用していた. 義足使用により潰傷を生じ, 義足の再製作目的で平成11年10月当科入院となった. 「義足」両側共にPTB式サイム義足に準じた下腿義足とし, 足部にはシアトルフットSFH120を採用した. 膝蓋靱帯部や足部付近にしばしば潰傷を生じるため, 圧分布に工夫が必要であり, ソケットは二重にしてできる限り1カ所への圧の集中を避け, かつ足底部の免荷を行った. さらに断端の形状は断端末の方が大きいため, ソケットの走路に空間を作り着脱を容易にした. また自室内の義足非装着での移動によっても潰傷が生じる可能性があるので, 義足非装着時の除圧用靴下を作製した. 「考察とまとめ」歩行能力が向上し長時間の義足歩行が可能となった. 義足非装着時の除圧用靴下も作製した.
ISSN:0034-351X