COBE Spectraによる濃厚血小板採取の検討

目的 白血球混入が少なく, 高単位血小板採取が可能と云われているCOBE Spectraを使用して濃厚血小板(以下PC)を採取し, 血小板収量, 血小板収率, 白血球混入と, その保存における品質を調べ検討した. 又, 当装置の構造上の問題からACD液の使用量が他の装置と比べ多くなると思われることから献血者の循環血液量に対するACD液の流入量とCa^2+ の低下率との相関関係を調べたので報告する. 対象 平成2年4月から8月末日までの期間で, 血小板採取の基準に適合した献血者49名を対象に血小板採取を実施した. 結果 PC10単位28例, PC15単位11例, PC20単位10例で血小板収率は...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 2; p. 264
Main Authors 大国典子, 倉橋正夫, 飯田俊二, 小林芳夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.03.1991
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ISSN0546-1448

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Summary:目的 白血球混入が少なく, 高単位血小板採取が可能と云われているCOBE Spectraを使用して濃厚血小板(以下PC)を採取し, 血小板収量, 血小板収率, 白血球混入と, その保存における品質を調べ検討した. 又, 当装置の構造上の問題からACD液の使用量が他の装置と比べ多くなると思われることから献血者の循環血液量に対するACD液の流入量とCa^2+ の低下率との相関関係を調べたので報告する. 対象 平成2年4月から8月末日までの期間で, 血小板採取の基準に適合した献血者49名を対象に血小板採取を実施した. 結果 PC10単位28例, PC15単位11例, PC20単位10例で血小板収率は約55~65%となった. 又, 白血球混入については平均2.8×10^6 個で, 他の装置と比較すると極めて少ないことが判明した. 採取した高単位PCを1リットルのポリオレフィンバッグに保存し, 採血後72時間目までのpH, 凝集能, %HSR, 及びHPVの経時変化を測定した. その結果, pHと凝集能が48時間目から低下の傾向を示したが, 得られた製品の品質に問題はなかったそして, ACD液によるCa^2+ の低下率は, 平均18%で, クエン酸による副作用の発生は皆無であった. 又, 採取した製剤中のクエン酸濃度は平均20mMであった. 結語 COBE SpectraによるPC採取では, 白血球の混入が極めて少なく, 又, 1リットルのポリオレフィンバッグで採取したPCの品質は, 採血後72時間まで良好であった. しかし, 経済性, ドナー確保の面から考慮すれば, 当装置は高単位血小板採取あるいは, HLA適合血小板採取に使用するのが適当と思われる.
ISSN:0546-1448