再発小腸癌に対し手術治療を施行した1例

症例は75歳の女性で, 主訴は腫瘍マーカーの上昇である. 平成12年, 他院にて小腸癌に対し小腸部分切除術を 受けている. 病理は高分化腺癌と報告されている. その後, 当院にて経過観察していたが, 平成17年横行結腸脾弯曲に再発があり小腸部分切除, 横行結腸部分切除を行った. 病理は高分化腺癌で, 播種性病変を疑う所見であった. 平成19年, 腫瘍マーカーの上昇があり, CTにて肝内側区域に再発所見を認めた. 十二指腸造影, 血管造影などより小腸癌再発, 十二指腸浸潤, 肝浸潤と診断し, 幽門側胃切除, 肝外胆管切除, 肝部分切除を施行している, 病理所見では十二指腸漿膜面を主座とした高分化...

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Published in医療 Vol. 62; no. 5; p. 309
Main Authors 三木隆久, 浦上秀次郎, 川口義樹, 大住幸司, 徳山丞, 金史英, 石志紘, 島田敦, 松井哲, 大石崇, 磯部陽, 池内駿之, 窪地淳, 松本純夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 20.05.2008
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ISSN0021-1699

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Summary:症例は75歳の女性で, 主訴は腫瘍マーカーの上昇である. 平成12年, 他院にて小腸癌に対し小腸部分切除術を 受けている. 病理は高分化腺癌と報告されている. その後, 当院にて経過観察していたが, 平成17年横行結腸脾弯曲に再発があり小腸部分切除, 横行結腸部分切除を行った. 病理は高分化腺癌で, 播種性病変を疑う所見であった. 平成19年, 腫瘍マーカーの上昇があり, CTにて肝内側区域に再発所見を認めた. 十二指腸造影, 血管造影などより小腸癌再発, 十二指腸浸潤, 肝浸潤と診断し, 幽門側胃切除, 肝外胆管切除, 肝部分切除を施行している, 病理所見では十二指腸漿膜面を主座とした高分化腺癌で, 前回切除組織と類似していた. 小腸癌再発による播種性病変と診断した. 2回の再発は, 両者ともに単発の播種性病変と考えられ, 特異な進展をする小腸癌と考えられた. 若干の文献的考察を加え, 報告する.
ISSN:0021-1699