資料の収集について
第5班には明石麻由子さん(福山大学)をリーダーとして, 大学4名, 企業3名の計7名(1名欠席)が集まった. 討議は, テーマを大まかに3つに分け, それぞれについて各館の現状を述べる形で進行した. [資料費の確保について] 各館で予算の抑制, 削減が続くなか, いかにして資料収集のための費用を確保し, 少しでも安く購入するかということが共通課題であることをまず確認した. 購入における対策方法としては, (1)重複雑誌のカット(2)電子ジャーナル購入(3)書店等への合い見積もり依頼(4)利用頻度の少ない高額資料の見直し(5)ILLによる他館の資料活用, などが挙げられた. これに関連して大学側...
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| Published in | 薬学図書館 Vol. 50; no. 1; p. 43 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本薬学図書館協議会
31.01.2005
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0386-2062 |
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| Summary: | 第5班には明石麻由子さん(福山大学)をリーダーとして, 大学4名, 企業3名の計7名(1名欠席)が集まった. 討議は, テーマを大まかに3つに分け, それぞれについて各館の現状を述べる形で進行した. [資料費の確保について] 各館で予算の抑制, 削減が続くなか, いかにして資料収集のための費用を確保し, 少しでも安く購入するかということが共通課題であることをまず確認した. 購入における対策方法としては, (1)重複雑誌のカット(2)電子ジャーナル購入(3)書店等への合い見積もり依頼(4)利用頻度の少ない高額資料の見直し(5)ILLによる他館の資料活用, などが挙げられた. これに関連して大学側から, 電子ジャーナルへの移行や高額資料の見直しなどについては, 図書館側からの働きかけによって教員の理解と協力を得ることも重要だという意見が出された. また別の大学からは, Amazonのようなオンライン書店を利用して洋書を早く安く買いたいが, 会計で認められないといった事務上の問題も述べられた. [資料選定について] 図書を選定する方法では, 教員が行う(大学), シラバスに基づく(大学), 主に図書館職員が決める(大学, 企業), キーワードを伝えて業者に選定してもらう(大学), など館による違いが見られた. 個別のリクエストについてはどの館でも基本的に応じていたが, 予算の都合上中止したり見直したりする動きが出てきていた. 雑誌に関しては購入タイトル数増加が見込めないため, コア雑誌は継続させる一方, (1)新規購入を増やす場合はその分減らす(2)利用者アンケートや組織内の図書委員会を通じて購入中止雑誌を決める, などの対策を各館で取っていた. なお, 大学, 企業双方から出た報告の中で, 最近は一般書に近いような視覚に訴えるタイプの和図書の需要が増えており, 蔵書構成や本来の使命とのバランスが懸念されているというものがあった. [廃棄について] 企業では廃棄を前提に資料を購入している一方, 大学では資料を廃棄しないことが基本であり所在不明資料の除籍も滅多に行わないなど, 取り組み方が対照的であった. しかし大学でもあらゆる資料を保存しているわけではなく, 所蔵スペースを考慮して未登録の寄贈雑誌は適宜処分しているとの報告があった. 寄贈雑誌の一部を短期保存(1年)と決め, ホームページで誌名をあらかじめ告知している大学も見られた. 今後の問題点としては, 企業だけでなく大学図書館までが本格的な廃棄を始めてしまうと, 国内のどこにも所蔵館が見当たらない資料が出てくる可能性が指摘された. [おわりに] この討議を通じて, 予算が減らされつつある現状において, バランスの取れた資料収集を継続するために各館が様々な工夫を重ねていることが理解できた. また, 図書館側から各方面に働きかけて仕事を進めていく実行力の重要性をますます感じた. |
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| ISSN: | 0386-2062 |