身体障害者療護施設を拠点とした在宅リハビリテーション

「れいんぼう川崎」は, 川崎市内の重度身体障害者センターの役割を持つ療護施設として開設された. リハビリテーション(以下, リハ)専門医の常勤する診療所を備え, 専門的リハ機能を充実させ, リハチームによる機能訓練が可能となっている. その機能は, 療護施設としての長期入所機能と在宅障害者のための訪問によるサービス, デイサービス, 一時入所サービスを備えている. 訪問によるサービスは, リハ専門医を含むリハチームにより行われている. 平成8年9月より平成9年11月までの件数は, 要請78件に対し, 評価訪問サービス63件, リハプラン実行52件であった. リハ技術職の派遣や機器導入, 住宅改...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; pp. 989 - 990
Main Authors 平井夏樹, 白野明, 高塚博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1998
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ISSN0034-351X

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Summary:「れいんぼう川崎」は, 川崎市内の重度身体障害者センターの役割を持つ療護施設として開設された. リハビリテーション(以下, リハ)専門医の常勤する診療所を備え, 専門的リハ機能を充実させ, リハチームによる機能訓練が可能となっている. その機能は, 療護施設としての長期入所機能と在宅障害者のための訪問によるサービス, デイサービス, 一時入所サービスを備えている. 訪問によるサービスは, リハ専門医を含むリハチームにより行われている. 平成8年9月より平成9年11月までの件数は, 要請78件に対し, 評価訪問サービス63件, リハプラン実行52件であった. リハ技術職の派遣や機器導入, 住宅改造を行っており, デイサービスや一時入所の利用を併用した利用者もみられた. 療護施設を拠点として行う在宅リハの特徴としては, まず, リハ専門医を含む専門的リハ機能の整備充実が必要である. その上で, 療護施設は生活支援に必要な機能を備えていることで, 介護方法や機器導入の指導が行えること, 訪問によるサービスに加えて, デイサービスや一時入所サービスの併用ができることがその特徴である. 弱点としては, 専門的リハ機能の拡大に限度があること, 新しい形の在宅リハとして, 普及や認知が思うように進まないことが挙げられ, 今後の課題として, 解決してゆく問題と考えている.
ISSN:0034-351X