急性期および回復期心臓リハビリテーション‐基礎的事項の確認と最近の問題点について

「はじめに」2006年4月の診療報酬改定により, 従来の心疾患リハビリテーションは心大血管リハビリテーションという枠組みとなり, これまでの急性心筋梗塞(acute myocardial infarction;AMI), 開心術後, および狭心症という適応疾患に, 新たに慢性心不全, 大血管疾患および術後, 下肢閉塞性動脈硬化症が加わった. 従来までの急性疾患のくくりでは対応できない疾患群が加わったわけであるが, 大血管疾患や下肢の動脈疾患に実際にどのようなリハビリテーション, 運動療法を行うべきかについてはいまだに明確なガイドラインが存在しないのが現状である. 急性疾患のリハビリテーションは...

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Published in心臓 Vol. 39; no. 3; pp. 260 - 265
Main Author 大宮一人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.03.2007
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ISSN0586-4488

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Summary:「はじめに」2006年4月の診療報酬改定により, 従来の心疾患リハビリテーションは心大血管リハビリテーションという枠組みとなり, これまでの急性心筋梗塞(acute myocardial infarction;AMI), 開心術後, および狭心症という適応疾患に, 新たに慢性心不全, 大血管疾患および術後, 下肢閉塞性動脈硬化症が加わった. 従来までの急性疾患のくくりでは対応できない疾患群が加わったわけであるが, 大血管疾患や下肢の動脈疾患に実際にどのようなリハビリテーション, 運動療法を行うべきかについてはいまだに明確なガイドラインが存在しないのが現状である. 急性疾患のリハビリテーションは, 発症から退院までの急性期(phase1, 発症後約2~3週間), 退院後社会復帰までの回復期(phase2, 約3~6カ月間程度まで), その後生涯にわたって続く維持期(phase3)の3期にわけて考える必要がある. なぜなら, それぞれの時期で目的や方法が若干異なるからである. 本稿のテーマは急性期および回復期の心臓リハビリテーションであるため, 従来の急性疾患, なかでもAMIを中心に述べることとする.
ISSN:0586-4488