2例のパーキンソン病患者と変形性膝関節症の関連

Parkinson病(PD)患者の機能低下を増幅させる因子である変形性膝関節症を合併した2例のPD患者に対して, 膝の屈曲拘縮・膝関節痛に着眼したリハビリテーションアプローチを試みた. 重度屈曲拘縮を伴う症例1には疼痛治療の他にReversed Dynamic Slings・膝装具を用いて歩行練習を行った. 結果は訓練室レベルの歩行に留まった. 筋短縮のため屈曲拘縮が容易に改善されなかったこと, PD本来の症状, 自発性・学習能力低下などが理由に考えられた. 拘縮のない症例2には疼痛治療と筋力増強訓練を行い, 屋内杖歩行の自立を獲得した. 変形性膝関節症などの2次的合併症を予防するのはもちろん...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 6; p. 430
Main Authors 漆山裕希, 関和則, 今田元, 大井直往, 岩谷力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.06.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:Parkinson病(PD)患者の機能低下を増幅させる因子である変形性膝関節症を合併した2例のPD患者に対して, 膝の屈曲拘縮・膝関節痛に着眼したリハビリテーションアプローチを試みた. 重度屈曲拘縮を伴う症例1には疼痛治療の他にReversed Dynamic Slings・膝装具を用いて歩行練習を行った. 結果は訓練室レベルの歩行に留まった. 筋短縮のため屈曲拘縮が容易に改善されなかったこと, PD本来の症状, 自発性・学習能力低下などが理由に考えられた. 拘縮のない症例2には疼痛治療と筋力増強訓練を行い, 屋内杖歩行の自立を獲得した. 変形性膝関節症などの2次的合併症を予防するのはもちろん, 関節可動域訓練などを含めた発病初期からの関わりが患者の機能維持に必要と考えられる.
ISSN:0034-351X