髄膜腫手術における炭酸ガスレーザー使用の有効性の検討

髄膜腫は血管に富み, 局在も多彩であり, 摘出が困難な場合がある. 我々は, 41例の髄膜腫手術において, 炭酸ガスレーザー(MEDILASER-S)を使用し, その使用経験について報告した. 髄膜腫のレーザー手術の利点として, 1)出血を少なくする. 2)固く, 容易に吸引できない腫瘍の摘出に有効である. 3)脳圧排を最小限にすることが可能である. 4)脳表から露出している部分が少ない深部の腫瘍の内減圧に適し, 有効である. レーザー手術の問題点として, 1)手術時間がかかり, ループ型電気メス, CUSAなどの併用が必要である. 2)露出した血管(直径1mm以上)からの出血の凝固止血は不可...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 11; no. 4; p. 138
Main Authors 会田敏光, 杉本信志, 岩崎喜信, 阿部弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 01.03.1991
Online AccessGet full text
ISSN0288-6200

Cover

More Information
Summary:髄膜腫は血管に富み, 局在も多彩であり, 摘出が困難な場合がある. 我々は, 41例の髄膜腫手術において, 炭酸ガスレーザー(MEDILASER-S)を使用し, その使用経験について報告した. 髄膜腫のレーザー手術の利点として, 1)出血を少なくする. 2)固く, 容易に吸引できない腫瘍の摘出に有効である. 3)脳圧排を最小限にすることが可能である. 4)脳表から露出している部分が少ない深部の腫瘍の内減圧に適し, 有効である. レーザー手術の問題点として, 1)手術時間がかかり, ループ型電気メス, CUSAなどの併用が必要である. 2)露出した血管(直径1mm以上)からの出血の凝固止血は不可能である. 3)操作上, flexibilityの点でまだ難点がある. 以上の点があげられる.
ISSN:0288-6200