当科における小児橈骨遠位端骨折の治療の検討(骨端線損傷も含む)

「はじめに」橈骨遠位端骨折は小児骨折の中で頻度が高い. 今回当科における骨端線損傷を含む小児橈骨遠位端骨折の治療について検討したので報告する. 対象 対象は1999年7月-2002年6月の3年の間に当科受診し, 骨端線損傷を含めた橈骨遠位端骨折の診断にて治療した15歳以下の36例とした. 性別は男児25例, 女児11例であり, 受傷時年齢は3-15歳, 平均9.8歳であった. 患側は右13例, 左23例であった. 治療 治療は診察及びX線撮影を行い, 転位がない場合はそのまま上腕ギプス固定し, 転位を認めた場合は徒手整復を行うが, 整復困難例や局所の不安定性があるものについては経皮的ピンニング...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 1; pp. 213 - 220
Main Authors 礒部淳一, 城戸研二, 桑田憲幸, 富永俊克, 藤真太郎, 國司善彦, 山本久司, 大中博司, 伊達亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2004
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」橈骨遠位端骨折は小児骨折の中で頻度が高い. 今回当科における骨端線損傷を含む小児橈骨遠位端骨折の治療について検討したので報告する. 対象 対象は1999年7月-2002年6月の3年の間に当科受診し, 骨端線損傷を含めた橈骨遠位端骨折の診断にて治療した15歳以下の36例とした. 性別は男児25例, 女児11例であり, 受傷時年齢は3-15歳, 平均9.8歳であった. 患側は右13例, 左23例であった. 治療 治療は診察及びX線撮影を行い, 転位がない場合はそのまま上腕ギプス固定し, 転位を認めた場合は徒手整復を行うが, 整復困難例や局所の不安定性があるものについては経皮的ピンニングを施行して上腕ギブス固定を行った. 結果 保存的治療は22例(61%), 経皮的ピンニングは14例(39%)に施行され, 7歳以下の症例7例は全例保存的治療であった. 経皮的ピンニングを施行した症例の中には徒手整復後再転位し, 経皮的ピンニングを施行した症例3例を含んでいる. 再転位は整復後3日が1例,14日が2例に発生しており, 全身麻酔下にて整復, 経皮的ピンニングを施行した.
ISSN:0037-1033