下肢人工関節置換術後の血清TAT, D-Dimerの推移

「はじめに」下肢人工関節置換術後の合併症として深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症(PE)の報告がある. 血清TAT, D Dimerは, これらの発症時に高値を示すといわれており, TATは凝固系D-Dimerは線溶系を反映するといわれている1)2). 今回我々は, 下肢人工関節置換術後, 予防的抗血小板療法, 抗凝固療法をおこなった症例の血清TAT, D-Dimerの動態について検討したので報告する. 「対象および方法」対象は, 下肢人工関節置換術を行った28例(THA20例, TKA8例)で, 性別は男性2例, 女性26例, 年齢は46~77歳(平均63.7歳), 原疾患は, 慢性関節リウ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 684 - 689
Main Authors 上園英嗣, 長嶺里美, 富田雅人, 藤本勝也, 角光宏, 本川哲, 井手衆哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」下肢人工関節置換術後の合併症として深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症(PE)の報告がある. 血清TAT, D Dimerは, これらの発症時に高値を示すといわれており, TATは凝固系D-Dimerは線溶系を反映するといわれている1)2). 今回我々は, 下肢人工関節置換術後, 予防的抗血小板療法, 抗凝固療法をおこなった症例の血清TAT, D-Dimerの動態について検討したので報告する. 「対象および方法」対象は, 下肢人工関節置換術を行った28例(THA20例, TKA8例)で, 性別は男性2例, 女性26例, 年齢は46~77歳(平均63.7歳), 原疾患は, 慢性関節リウマチ(RA)7例, 変型性関節症(OA)21例であった. 24例において, 術後予防的抗血小板療法, 抗凝固療法を行った. 術後24時間後よりヘパリン5000単位24時間持続投与, 更に2日よりC-バファリン1錠パナルジン1錠1週間, 2週目よりパナルジン1錠3週間内服投与を行った.
ISSN:0037-1033