抗Dヒト免疫グロブリン投与上の問題点
抗Dヒト免疫グロブリン製剤(Rh-Ig)が常用化された昭和48年7月から60年12月までの当院におけるD陰性妊婦の分娩220例について検討し, Rh-Ig投与上の問題点を考察した. 児D陰性14例, 分娩時抗D抗体陽性19例以外の187例中184例が分娩後48時間以内にRh-Ig投与をうけた. 初産婦81例中分娩時抗体陽性は6例であった. Rh-Ig投与例の中97例は一次的効果判定をうけ, 94例は抗D陰性, 3例は陽性であったが2次的効果判定時陰性であった. 2次的効果判定ができた69例はすべて抗D抗体陰性であった. 母が抗D抗体陰性であるのに児D陽性で直接抗グロブリン試験陽性が9例あり,...
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          | Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 33; no. 4; p. 453 | 
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| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本輸血学会
    
        01.07.1987
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| ISSN | 0546-1448 | 
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| Summary: | 抗Dヒト免疫グロブリン製剤(Rh-Ig)が常用化された昭和48年7月から60年12月までの当院におけるD陰性妊婦の分娩220例について検討し, Rh-Ig投与上の問題点を考察した. 児D陰性14例, 分娩時抗D抗体陽性19例以外の187例中184例が分娩後48時間以内にRh-Ig投与をうけた. 初産婦81例中分娩時抗体陽性は6例であった. Rh-Ig投与例の中97例は一次的効果判定をうけ, 94例は抗D陰性, 3例は陽性であったが2次的効果判定時陰性であった. 2次的効果判定ができた69例はすべて抗D抗体陰性であった. 母が抗D抗体陰性であるのに児D陽性で直接抗グロブリン試験陽性が9例あり, この中6例において赤血球抗体溶出試験で抗Aまたは抗B抗体を証明したが抗D抗体を証明しなかった. このような例はRh-Ig投与の適応である. | 
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| ISSN: | 0546-1448 |