顕微鏡下手術後の腰椎椎間板ヘルニア再発例の検討

1981年9月~2004年7月の期間, 腰椎椎間板ヘルニアに対し, 顕微鏡下椎間板摘出術(MLD)を施行した713例中, 再発を生じ再手術に至ったものは64例(9.0%)であり, その要因と予防法について検討した. 同一部位の再発を狭義の再発(A群)とし, 高位や左右の異なる再発を広義の再発(B群)とした. 初回手術時, 平均年齢は34.8歳, 男性49名, 女性15名であった. A群は46例(6.5%), B群は18例(2.5%)であった. 再手術時, 3例でPLFを施行した以外全例で再度MLDを施行した, さらに3回目の手術を要した症例がA群, B群ともに4例ずつあった. 調査期間は8年2...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 11; no. 1; pp. 219 - 220
Main Authors 松永寛, 坪内俊二, 稲田充, 夏目英雄, 鈴木信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 30.09.2005
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ISSN1345-9074

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Summary:1981年9月~2004年7月の期間, 腰椎椎間板ヘルニアに対し, 顕微鏡下椎間板摘出術(MLD)を施行した713例中, 再発を生じ再手術に至ったものは64例(9.0%)であり, その要因と予防法について検討した. 同一部位の再発を狭義の再発(A群)とし, 高位や左右の異なる再発を広義の再発(B群)とした. 初回手術時, 平均年齢は34.8歳, 男性49名, 女性15名であった. A群は46例(6.5%), B群は18例(2.5%)であった. 再手術時, 3例でPLFを施行した以外全例で再度MLDを施行した, さらに3回目の手術を要した症例がA群, B群ともに4例ずつあった. 調査期間は8年2カ月で, JOAスコアは14点から25.1点へ改善し, 改善率は75.7%であった. 屈曲時に不安定性を認めるものや, 術後に屈曲位を強制した際に再発をする傾向がみられた. 予防のためには髄核を十分に摘出することが重要と考えている. MLDは再発の際も有用な方法であると思われたが, 椎間関節の欠損が大きいものや, 不安定性の強いものでは固定術が必要と考えている.
ISSN:1345-9074