支配領域の気腫性変化をきたしたBronchial Atresiaの1例

症例は22歳, 女性. 数年前より時々背部痛を自覚することがあり, 1999年9月12日激しい左上背部痛, 呼吸困難, 乾性咳嗽が出現したため, 9月13日近医を受診した. 胸部X線上, 左上中肺野の異常影を指摘され, 胸部CT上, 左上葉の気腫性変化と腫瘤影, 浸潤影が認められ, bronchial atresiaが疑われたため, 精査目的に9月27日当科に入院した. 胸部CTでは, 左B^1+2 起始部の粘液貯留像と, その末梢の気腫性変化が認められ, 矢状断再構成画像では左B^1+2 は起始部から認められなかった. 肺動脈造影では左A^1+2 は存在しているが, 動脈相での造影遅延が認め...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 1; p. 65
Main Authors 廣瀬瑞穂, 小林義昭, 森山寛史, 真島一郎, 各務博, 寺田正樹, 吉沢弘久, 佐藤誠, 鈴木栄一, 下条文武, 本田茂, 伊藤和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2000
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は22歳, 女性. 数年前より時々背部痛を自覚することがあり, 1999年9月12日激しい左上背部痛, 呼吸困難, 乾性咳嗽が出現したため, 9月13日近医を受診した. 胸部X線上, 左上中肺野の異常影を指摘され, 胸部CT上, 左上葉の気腫性変化と腫瘤影, 浸潤影が認められ, bronchial atresiaが疑われたため, 精査目的に9月27日当科に入院した. 胸部CTでは, 左B^1+2 起始部の粘液貯留像と, その末梢の気腫性変化が認められ, 矢状断再構成画像では左B^1+2 は起始部から認められなかった. 肺動脈造影では左A^1+2 は存在しているが, 動脈相での造影遅延が認められ, 肺換気シンチでは左S^1+2 領域に一致して換気の低下が認められた. 気管支鏡検査と画像所見から, 本例は気腫性変化と粘液貯留を合併した左B^1+2 のbronchial atresiaであると考えられた.
ISSN:0287-2137