温熱(ビワ灸)刺激による生体から検出される極微弱発光

ビワ灸を用いて「水」と「ビワエキス」の温熱刺激による, 生体から検出される極微弱発光無浸襲測定の比較検討を行う. ビワ灸を用いて綿花に「水」を浸し, 曲池(H_6 11)に当てる. 測定装置は, 商陽(H_6 1)に設定し生体から検出される極微弱発光(生物フォトン)無浸襲測定を行う. 次に「ビワエキス」を綿花に浸みこませ同様に実験を行う. 温熱刺激として「水」と「ビワエキス」を使用した場合, 生体から検出される極微弱発光を測定し, 温熱刺激の伝熱比較を行う. 実験を行った対象者は5人で(男女50代)ある. 実験の結果, 水を綿花に浸して測定した場合10秒位の時間差で生体反射(熱さの感覚)が認め...

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Published in日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 27; no. 4; p. 35
Main Authors 森川和宥, 神正照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡神経学会 01.09.1999
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ISSN0286-1631

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Summary:ビワ灸を用いて「水」と「ビワエキス」の温熱刺激による, 生体から検出される極微弱発光無浸襲測定の比較検討を行う. ビワ灸を用いて綿花に「水」を浸し, 曲池(H_6 11)に当てる. 測定装置は, 商陽(H_6 1)に設定し生体から検出される極微弱発光(生物フォトン)無浸襲測定を行う. 次に「ビワエキス」を綿花に浸みこませ同様に実験を行う. 温熱刺激として「水」と「ビワエキス」を使用した場合, 生体から検出される極微弱発光を測定し, 温熱刺激の伝熱比較を行う. 実験を行った対象者は5人で(男女50代)ある. 実験の結果, 水を綿花に浸して測定した場合10秒位の時間差で生体反射(熱さの感覚)が認められた. 同様にビワエキスを綿花にしみこませて, 計測を行った結果, 20秒位の時間がかかって生体反射が現れた. ここでの生体反射とは, 温灸をあて, 熱いと感じて温灸を取った状態である. 「水」と「ビワ」では熱の伝わり方に時間差があることが確認された. 【考察】 「水」と「ビワ」灸を比較した場合, 今回の実験計測において水の方が熱が伝わりやすい(伝熱性が高い)ものと思われる. 「水」を浸みこませて使った場合熱の伝わりが(体感)速く感じられた. ビワ灸の場合は, ビワエキス+オイルが入っているため, 熱の伝わりかたが遅くなっている. 【結語】 「水」と「ビワ」を使って温灸をした場合は, どちらも1回目は発光強度が同じであるが, 2回目からは水の場合は発光強度が下がってきている. しかしビワ灸の場合は, 1回の状態同様に発光強度高くなっている. すなわち, 水の方は時間とともに発光強度が減少しているのに対して, ビワ灸の場合は, そのまま発光強度を維持持続していることが, 今回の実験で観測された.
ISSN:0286-1631