Weak D症例におけるRHD遺伝子発現量の解析

「目的」従来, weak Dの遺伝子解析では, RhDポリペプチドの質的異常はなく, 量的異常であるとされてきたが, 近年, Wagnerらが白色人種161例のweak Dの遺伝子解析を行い, 全例にmutationを検出し, 16種類の型に分類した. Mutationの7割がexon6の膜貫通ドメインをコードする領域に集中していたことから, RhDポリペプチドの質的異常が強く示唆された. 今回, 我々は, 本邦におけるweak D4例について遺伝子解析を試み, 1例においてpointmutationを検出した. この症例につき, RHD遺伝子発現量の解析を行った. 「方法」大阪府赤十字血液セ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 172
Main Authors 亀崎豊実, 岩本禎彦, 近江俊徳, 奥田浩, 田中光信, 高橋順子, 瀬尾たい子, 谷慶彦, 梶井英治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」従来, weak Dの遺伝子解析では, RhDポリペプチドの質的異常はなく, 量的異常であるとされてきたが, 近年, Wagnerらが白色人種161例のweak Dの遺伝子解析を行い, 全例にmutationを検出し, 16種類の型に分類した. Mutationの7割がexon6の膜貫通ドメインをコードする領域に集中していたことから, RhDポリペプチドの質的異常が強く示唆された. 今回, 我々は, 本邦におけるweak D4例について遺伝子解析を試み, 1例においてpointmutationを検出した. この症例につき, RHD遺伝子発現量の解析を行った. 「方法」大阪府赤十字血液センターにて, weak Dと判定された4例の末梢血よりgenomicDNAを抽出し, 試料とした. RHD遺伝子の解析は, 各exonの上流ならびに下流にRHD遺伝子特異的プライマーを設定し, PCR-SSCP法でスクリーニングを行った. RHD遺伝子に変異を見いだした例において, RHD遺伝子の発現量解析として, RHD,RHCE遺伝子共通プライマーセットを用いたRT-PCR産物をそれぞれに特異的な制限酵素も用いて消化し, CE産物に対するDの量的比較を行った.
ISSN:0546-1448