ラットにおけるTrimoprostilの体内動態に関する研究(第3報):Trimoprostil経口投与後の乳汁および胎仔への移行
1. 胎仔移行 3H-trimoprostilを妊娠14日目および19日目のラットに単回経口投与(100μg/kg)し, 投薬後45minおよび24hrにおける胎仔移行を検討した. 投薬後45minの胎仔中放射能は, 妊娠14日目および19日目でそれぞれ母獣血液中濃度の6%および15%であった. 投薬後24hrの胎仔中放射能は, 妊娠14日目では検出限界(0.076ng eq. /g)以下に, 19日目では0.5(頭部)~1.7(胴部)ng eq. /gと45min値の6.2~14%に低下した. 投薬後45minにおける胎仔中の未変化体濃度/放射能比は, 妊娠19日目の胎仔胴部で0.18と若干...
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| Published in | 薬物動態 Vol. 1; no. 1; pp. 61 - 67 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本薬物動態学会
01.06.1986
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| ISSN | 0916-1139 |
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| Summary: | 1. 胎仔移行 3H-trimoprostilを妊娠14日目および19日目のラットに単回経口投与(100μg/kg)し, 投薬後45minおよび24hrにおける胎仔移行を検討した. 投薬後45minの胎仔中放射能は, 妊娠14日目および19日目でそれぞれ母獣血液中濃度の6%および15%であった. 投薬後24hrの胎仔中放射能は, 妊娠14日目では検出限界(0.076ng eq. /g)以下に, 19日目では0.5(頭部)~1.7(胴部)ng eq. /gと45min値の6.2~14%に低下した. 投薬後45minにおける胎仔中の未変化体濃度/放射能比は, 妊娠19日目の胎仔胴部で0.18と若干低い値が認められた他は, ほぼ母獣血液中の値と等しい値が観察された. さらに, 上記実験に加え14C-trimoprostil(100μg/kg)を上記両妊娠日のラットに単回経口投与し, 投薬後45minに全身オートラジオグラフィーを行い, 本薬物の組織内分布を検討した. その結果, 両妊娠日において胎仔への放射能の分布は観察されなかった. 2. 乳汁中移行 3H-trimoprostilを分娩後9日目の授乳ラットに単回経口投与(100μg/kg)し, 投薬後の母獣血液および乳汁中の放射能, および未変化体濃度を測定し, 本薬物の乳汁への移行について検討した. 乳汁中放射能は, 投薬後徐々に増加し, 7hrで最高濃度(7.7ng eq. /ml)に達した. 一方, 血液中放射能は, 投薬後速やかに増加し, 投薬後40min(11ng eq. /ml)~7hr(8.9ng eq. /ml)までほぼ一定した値を示した. 7hr以降は, 乳汁中放射能は, 血液中濃度とほぼ平行した減少を示した. 乳汁および血液中未変化体濃度は, 平行した経時変化を示すとともに, 投薬後4hrに最高濃度(乳汁:1.1ng/ml, 血液:3.3ng/ml)に達した. これらの未変化体濃度は, それぞれ対応する放射能濃度の17%(乳汁)および33%(血液)に相当した. 4hr以後, 乳汁および血液中未変化体濃度は速やかに減少した. |
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| ISSN: | 0916-1139 |