胸腔鏡下膿胸ドレナージ後に切除術を行った中葉症候群の1例
〔症例〕48歳の男性. 1996年4月より咳嗽, 喀痰が出現, 翌年4月, 当院呼吸器内科を初診した. 同年9月23日より発熱し, 症状が増悪したため, 10月3日に緊急入院した. 中葉症候群に合併した膿胸と診断, 胸腔ドレーンを挿入し内科的治療を続けたが軽快せず, 外科へ転科, 10月17日胸腔鏡下ドレナージを施行した. 炎症所見の軽快を待って, 11月19日開胸右中葉切除術を行った. 組織所見では, 中葉気管支中枢側の狭小化により末梢の気管支拡張が進行して生じた膿瘍腔が穿孔し, 膿胸に至ったと思われた. 〔結語〕多房化した膿胸に対し, 胸腔鏡下ドレナージは低侵襲で有効であった. 膿胸の軽快...
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Published in | 気管支学 Vol. 20; no. 4; p. 372 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.05.1998
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 〔症例〕48歳の男性. 1996年4月より咳嗽, 喀痰が出現, 翌年4月, 当院呼吸器内科を初診した. 同年9月23日より発熱し, 症状が増悪したため, 10月3日に緊急入院した. 中葉症候群に合併した膿胸と診断, 胸腔ドレーンを挿入し内科的治療を続けたが軽快せず, 外科へ転科, 10月17日胸腔鏡下ドレナージを施行した. 炎症所見の軽快を待って, 11月19日開胸右中葉切除術を行った. 組織所見では, 中葉気管支中枢側の狭小化により末梢の気管支拡張が進行して生じた膿瘍腔が穿孔し, 膿胸に至ったと思われた. 〔結語〕多房化した膿胸に対し, 胸腔鏡下ドレナージは低侵襲で有効であった. 膿胸の軽快を待って安全に中葉切除術を施行した. |
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ISSN: | 0287-2137 |