噛んで肥満は防止できる!~脳・心・体を守る(第3報)

<緒言>21世紀は病気にならないための予防医学の時代と言われている. さらに心身ともに健康な人としての生活の質の向上が求められている. そうした中, いわゆる現代病と言われる高齢者痴呆・ストレス疾患・肥満はWHOにおいて克服する課題として位置づけられている. わが国でも厚生労働省の科学研究の重点課題として揚げられ, 目標達成のための研究が進められている. 我々も第52回, 53回日本農村医学会において咀嚼と脳活動の関係を脳の構造や活動状態を外部から非侵襲的に観察するfMRI法を用いて, 咀嚼が痴呆防止とストレスの発散に有効であることを示唆する報告を行なった. 最近, 坂田らは過度の...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 303
Main Authors 丹羽政美, 平松達, 仲田文昭, 濱屋千佳, 小野木啓人, 齋藤公志郎, 藤田雅文, 渡邊和子, 小野塚実, 山瀬裕彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 01.09.2005
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ISSN0468-2513

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Summary:<緒言>21世紀は病気にならないための予防医学の時代と言われている. さらに心身ともに健康な人としての生活の質の向上が求められている. そうした中, いわゆる現代病と言われる高齢者痴呆・ストレス疾患・肥満はWHOにおいて克服する課題として位置づけられている. わが国でも厚生労働省の科学研究の重点課題として揚げられ, 目標達成のための研究が進められている. 我々も第52回, 53回日本農村医学会において咀嚼と脳活動の関係を脳の構造や活動状態を外部から非侵襲的に観察するfMRI法を用いて, 咀嚼が痴呆防止とストレスの発散に有効であることを示唆する報告を行なった. 最近, 坂田らは過度の食欲を抑制させるために, 食事前にガムチューイングを行なう肥満症治療法で成果をあげている. これは咀嚼運動が視床下部のエネルギー代謝を制御する神経核を賦活する結果と考えられるが, 人の脳における立証は未だなされていない. そこで, 我々はfMRI法を用いて, ガムチューイングが視床下部神経核の賦活を惹起するか否かを検証した.
ISSN:0468-2513