THA後に脱臼を繰り返したOverlap症候群の1例

47歳の女性, Overlap症候群とうつ病の既往にて内服コントロール中の患者に, 両側大腿骨頭壊死の診断にて両側THAを施行した. 術後左3回, 右1回の合計4回の脱臼を繰り返した. 瘢痕性関節包の壊死性変化, 合併症による筋力低下やるいそうによる軟部組織の緊張の破綻が脱臼の主な原因と考え, 左3回目の脱臼整復後に左側neckの5mm延長を行った. 一般に脱臼の原因としては, インプラントのデザインや設置不良, 骨棘やセメントの突出, 筋力低下や瘢痕性関節包の破綻などが考えられるが特に神経筋疾患や精神障害の合併する患者に対しては, 術後脱臼に対するリスクを考慮し, 術前からの十分な検討が必要...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 2; p. 649
Main Authors 大友一, 中村利孝, 岡部聡, 大西英生, 宮崎義久, 鈴木勝己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1996
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ISSN0037-1033

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Summary:47歳の女性, Overlap症候群とうつ病の既往にて内服コントロール中の患者に, 両側大腿骨頭壊死の診断にて両側THAを施行した. 術後左3回, 右1回の合計4回の脱臼を繰り返した. 瘢痕性関節包の壊死性変化, 合併症による筋力低下やるいそうによる軟部組織の緊張の破綻が脱臼の主な原因と考え, 左3回目の脱臼整復後に左側neckの5mm延長を行った. 一般に脱臼の原因としては, インプラントのデザインや設置不良, 骨棘やセメントの突出, 筋力低下や瘢痕性関節包の破綻などが考えられるが特に神経筋疾患や精神障害の合併する患者に対しては, 術後脱臼に対するリスクを考慮し, 術前からの十分な検討が必要である.
ISSN:0037-1033