体外循環施行時における間質浮腫軽減因子の検討

当院では体外循環中の間質浮腫の指標として体外循環中の水分バランスを重要視し, 限りなくマイナスバランスになるよう体外循環操作を行っている. そこで蛋白製剤使用の有無と血液濃縮法CUF, DUF, MUFの3種類の違いによる水分バランスの変化について検討した. その結果, 蛋白製剤使用による蛋白濃度の維持, MUF施行による蛋白濃度の上昇が, 水分バランスをマイナスにすることに貢献していると考えられた. また, DUF施行による血清浸透圧の低下は水分バランスに悪影響を与えた可能性が示唆された. 間質浮腫軽減には蛋白濃度(膠質浸透圧)と血清浸透圧の維持が重要であると考えられた. 「I. 緒言」体外...

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Published in体外循環技術 Vol. 34; no. 4; pp. 283 - 286
Main Authors 河田修一, 山口和也, 澤崎史明, 堂野隆史, 窪田将司, 鷹橋浩, 黒田廣, 大場淳一, 青木秀俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2007
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ISSN0912-2664

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Summary:当院では体外循環中の間質浮腫の指標として体外循環中の水分バランスを重要視し, 限りなくマイナスバランスになるよう体外循環操作を行っている. そこで蛋白製剤使用の有無と血液濃縮法CUF, DUF, MUFの3種類の違いによる水分バランスの変化について検討した. その結果, 蛋白製剤使用による蛋白濃度の維持, MUF施行による蛋白濃度の上昇が, 水分バランスをマイナスにすることに貢献していると考えられた. また, DUF施行による血清浸透圧の低下は水分バランスに悪影響を与えた可能性が示唆された. 間質浮腫軽減には蛋白濃度(膠質浸透圧)と血清浸透圧の維持が重要であると考えられた. 「I. 緒言」体外循環中の間質浮腫の増大は術中, 術後における肺機能の悪化など様々な合併症の要因となる. 当院では体外循環中の間質浮腫の指標として体外循環中の水分バランスを重要視しており, 限りなくマイナスバランスになるよう体外循環操作を行っている1). そこで今回, 蛋白製剤使用の有無および三種類の血液濃縮法CUF(Conventional Ultra Filtration), DUF(Dilution Ultra Filtration), MUF(Modified Ultra Filtration)の違いによる水分バランスの変化について検討した.
ISSN:0912-2664