当院待機手術におけるFFP使用状況の検討

【目的】わが国の輸血用血液は国内献血血液で供給されているが, 血漿分画製剤であるアルブミン製剤の多くは輸入に依存している. 原因の一つとしてFFPの使用過多が指摘されている. 平成11年に血液製剤の使用指針が策定され, また平成14年7月に血液新法が可決されたことから, 血液製剤の適正使用をより一層強化していくことが望まれる. そこで, 当院待機手術におけるFFP使用状況を調査したので報告する. 【対象】1:2001年4月~9月及び2:2002年4月~9月に施行された待機手術(各期間とも2081例)で, FFP依頼があった200例及び142例の調査を行った. 【方法】血液製剤の使用指針に基づき...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 240
Main Authors 杉本達哉, 山口陽子, 兵藤理, 村上美知, 福澤由紀子, 倉島志保, 中塩屋千絵, 板垣浩行, 武井美恵子, 小林信昌, 岸賢治, 加藤俊一, 西山純一, 福山東雄, 鈴木利保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.05.2003
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ISSN0546-1448

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Summary:【目的】わが国の輸血用血液は国内献血血液で供給されているが, 血漿分画製剤であるアルブミン製剤の多くは輸入に依存している. 原因の一つとしてFFPの使用過多が指摘されている. 平成11年に血液製剤の使用指針が策定され, また平成14年7月に血液新法が可決されたことから, 血液製剤の適正使用をより一層強化していくことが望まれる. そこで, 当院待機手術におけるFFP使用状況を調査したので報告する. 【対象】1:2001年4月~9月及び2:2002年4月~9月に施行された待機手術(各期間とも2081例)で, FFP依頼があった200例及び142例の調査を行った. 【方法】血液製剤の使用指針に基づき凝固因子の活性, 循環血液量(70ml×体重kg)に対する出血量の割合(出血量%)からFFP使用の適正性を評価した. 適正性の評価は, 凝固因子活性の低下(PT活性30%以下, APTTが院内基準値の1.5倍以上延長, Fib値100mg/dl以下)または出血量100%以上の場合とした. 【結果】FFP適正使用率は1及び2で, 16.0%, 22.2%であった. 出血量20%未満, 20~50%, 50~100%, 100%以上での使用率は, 1で13.5%, 45.2%, 80n%, 92.3%, 2で11.9%, 56.3%, 66.7%, 85.7%であった. また, 凝固因子活性の低下あるいは出血量100%以上が認められた中でのFFP未使用例は1で0.2%, 2で0.1%であった. 【考察】対象とした手術症例で適正使用と評価された症例は前年より6.2%増加したが, FFP使用例での適正使用率は25%にも満たず, 更なる適正使用が求められた. また, 凝固検査正常で出血量100%以下の手術におけるFFPの使用比率が1で39.8%, 2で33.3%あり, これらの手術でFFP使用を削減することが課題である. なお, 発表当日は診療科別FFP使用状況についても報告する予定である.
ISSN:0546-1448