気管支肺アスペルギルス症の1切除例
症例は54歳, 男性. 既往歴, 家族歴は特に無し. 平成8年7月より発熱があり, 前医受診. 胸部レ線上, 左上肺野に浸潤影を指摘され, 肺結核症を疑われ化学療法を開始された. 同年9月の胸部CTにて左B^3 に腫瘤影が認められたため, 気管支鏡を施行. 左B^3 を完全閉塞するポリープが認められ, これの生検の結果アスペルギルスの菌塊が確認された. この後, フルコナゾール400mg/日を約1年間投与され, CT上肺野の浸潤影は軽快するも左B^3 の腫瘤影が残存するため, 外科的治療の目的で当院を紹介入院となった. 平成9年9月24日気管支形成を伴った左S^3 区域切除術を施行. B^3...
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Published in | 気管支学 Vol. 20; no. 1; p. 88 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.01.1998
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 症例は54歳, 男性. 既往歴, 家族歴は特に無し. 平成8年7月より発熱があり, 前医受診. 胸部レ線上, 左上肺野に浸潤影を指摘され, 肺結核症を疑われ化学療法を開始された. 同年9月の胸部CTにて左B^3 に腫瘤影が認められたため, 気管支鏡を施行. 左B^3 を完全閉塞するポリープが認められ, これの生検の結果アスペルギルスの菌塊が確認された. この後, フルコナゾール400mg/日を約1年間投与され, CT上肺野の浸潤影は軽快するも左B^3 の腫瘤影が残存するため, 外科的治療の目的で当院を紹介入院となった. 平成9年9月24日気管支形成を伴った左S^3 区域切除術を施行. B^3 aはほぼ完全閉塞しており, 組織学的に粘膜には高度の炎症細胞浸潤が見られた. また拡張した細気管支内にはアスペルギルスの菌塊が認められた. なお末梢の肺実質には瘢痕形成のみ認められた. 術後経過は良好で, 現在外来経過観察中である |
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ISSN: | 0287-2137 |