院外心肺停止症例におけるPCPS施行中のrSO2測定の有用性
「要旨」:今日のPCPSは従来の循環器領域における適応のみにとどまらず, 救命救急領域へとその適応を確立しその普及をみている. また, 院外心肺停止症例においてPCPSを用いた場合の蘇生率は施設間により異なるが, 当施設においては十分な成績が得られ, もはや次の段階の蘇生法を模索する時期に来ている. PCPSによる蘇生の成功は, 開始数分後に心拍の再開として得られるが, あくまでも心拍の再開であり, 脳蘇生の観点からは何も得られてはいない. 本研究では院外心肺停止症例のrSO2を搬入直後から測定し, PCPSによる循環再開後, 脳灌流が維持されているのかを灌流量および自己心拍出との相関から臨床...
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| Published in | 体外循環技術 Vol. 35; no. 4; pp. 424 - 428 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2008
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| ISSN | 0912-2664 |
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| Summary: | 「要旨」:今日のPCPSは従来の循環器領域における適応のみにとどまらず, 救命救急領域へとその適応を確立しその普及をみている. また, 院外心肺停止症例においてPCPSを用いた場合の蘇生率は施設間により異なるが, 当施設においては十分な成績が得られ, もはや次の段階の蘇生法を模索する時期に来ている. PCPSによる蘇生の成功は, 開始数分後に心拍の再開として得られるが, あくまでも心拍の再開であり, 脳蘇生の観点からは何も得られてはいない. 本研究では院外心肺停止症例のrSO2を搬入直後から測定し, PCPSによる循環再開後, 脳灌流が維持されているのかを灌流量および自己心拍出との相関から臨床研究による検討を行った. 検討結果から, 全例においてPCPS開始時におけるrSO2との関係は正の強い相関を示し, 管理中および離脱時においても強い相関を示す症例が多かった. これらの結果から, 搬入時より行うrSO2の測定は脳直流をモニタリングする上で有用であり, PCPSによる循環補助が適切に開始されたかの指標となりえることが示唆された. |
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| ISSN: | 0912-2664 |