Major ABO 不適合移植患者に対する同種末梢血幹細胞移植のメリット
ABO 不適合ドナーからの同種骨髄移植例 (AlloBMT) では, 移植片から赤血球を除去するため, 移植後回復遅延や PRCA が合併しやすい. AlloBMT 後の二次性 MDS に対し, 同一ドナーから同種末梢血幹細胞 (AlloPBSCT を施行したので報告する. 症例:34歳, 男性, AML(M2). 平成5年, 2月に HLA適合・Major ABO 不適合ドナーから CY-TBI で前処置後, V50で赤血球を除去した1.6×10^8 /kg骨髄有核細胞を輸注した. Day+121に退院し社会復帰したが平成7年7月から汎血球減少が出現, キメリズムの検討からホスト由来の二次性...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 1; pp. 61 - 62 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.02.1998
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | ABO 不適合ドナーからの同種骨髄移植例 (AlloBMT) では, 移植片から赤血球を除去するため, 移植後回復遅延や PRCA が合併しやすい. AlloBMT 後の二次性 MDS に対し, 同一ドナーから同種末梢血幹細胞 (AlloPBSCT を施行したので報告する. 症例:34歳, 男性, AML(M2). 平成5年, 2月に HLA適合・Major ABO 不適合ドナーから CY-TBI で前処置後, V50で赤血球を除去した1.6×10^8 /kg骨髄有核細胞を輸注した. Day+121に退院し社会復帰したが平成7年7月から汎血球減少が出現, キメリズムの検討からホスト由来の二次性 MDS と診断した. 平成9年5月, 同一ドナーから BU+CY で前処置後 al1oPBSCT を行った. 血液型はドナーA(+), ホスト0(+), 抗A抗体価は1.64倍であった. 採取したalloPB中の赤血球混入率は1%以下なので当日無処理で輸注した. 経過 : day+12で顆粒球実数は≧500となり, 最終血小板輸血はday+11であった. 抗A抗体価は64倍(前)から4倍(day+11)と低下し, 消失. day+15には網状赤血球≧5万となり, ドナー型赤血球はday+39で31%, day+82で80%と順調に回復した. 経過中溶血を思わせる所見は無かった. 患者は GVHD を合併せずday+75退院した. 考察 : AlloPB を移植片とする場合は Major ABO 不適合であっても赤血球除去を必要としないため簡便に十分量の幹細胞を移植できる. |
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ISSN: | 0546-1448 |