当院におけるalloPBSCTの経験
目的:同種末梢血幹細胞移植(alloPBSCT)は血液悪性疾患の根治療法として将来的に適応症例が増加すると考えられる. 当院で経験した3例の安全性と有用性を検討した. 対象と方法:症例は骨髄異形成症候群(RAEB-t)1例, 急性リンパ球性白血病(L2)1例, 再生不良性貧血(SAA)1例である. G-CSF10ug/kgを5日間連日皮下注射し, 投与4日目と5日目に血液処理量10LでPBSCを採取した. 前処置はSAA症例はCY+TLI, 他2例はCY+AraC+TBIであった. 結果と考案:いずれのdonorもCSF投与による骨痛を認めず, apheresis前後の血小板減少の程度は最大5...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 1; p. 45 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
01.02.1999
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0546-1448 |
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| Summary: | 目的:同種末梢血幹細胞移植(alloPBSCT)は血液悪性疾患の根治療法として将来的に適応症例が増加すると考えられる. 当院で経験した3例の安全性と有用性を検討した. 対象と方法:症例は骨髄異形成症候群(RAEB-t)1例, 急性リンパ球性白血病(L2)1例, 再生不良性貧血(SAA)1例である. G-CSF10ug/kgを5日間連日皮下注射し, 投与4日目と5日目に血液処理量10LでPBSCを採取した. 前処置はSAA症例はCY+TLI, 他2例はCY+AraC+TBIであった. 結果と考案:いずれのdonorもCSF投与による骨痛を認めず, apheresis前後の血小板減少の程度は最大5×10^4 /ulであった. 採取単核球数は4.1-6.5×10^8 /kg(mean5.3), 採取CD34陽性細胞数は1.7-4.7×10^6 /kg(mean3.7), 採取CFU-GM数は4.8-10.6×10^5 /kg(mean7.6)であった. recipientの顆粒球数が500/ulを越えたのは, 移植後12~16日であったが, SAA症例以外の2例では血小板の回復が遷延した. 移植後3例とも, 急性GVHDは軽度であったがSAA例で慢性GVHDが問題となった. RAEB症例ではpure red cell aphasiaを来たし, L2症例ではday280日で再発した. alloPBSCTではdonorの採血は安全に実施できた. また移植後のrecipientに起こる問題は様々であり多数例長期の検討が必要と考えられた. |
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| ISSN: | 0546-1448 |