腎移植拒絶反応に対する血漿交換療法

目的:腎移植後の拒絶反応4例に, 血漿交換を行ない, 腎機能の変化と, ランダムパネルに対する抗体の変化を見た. 方法:2例にIBM cell separatorを使用, 2例にhollow fiber separatorを使用した. 置換液はPPFを使用した. Cytotoxic antibodyはmicrocytotoxicity法に依った. 標的細胞は20人以上の非血縁の健康人より採った. 結果:3例の急性拒絶反応では, 血漿交換後2例に腎機能の回復を見, 1例では軽度の改善を見た. 慢性拒絶反応例1例では, 血漿交換にて腎機能に変化はなかった. 腎機能の回復を見た急性拒絶反応例では,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 30; no. 6; p. 586
Main Authors 山田宣夫, 加納忠行, 打田和治, 富永芳博, 赤座達也, 加村ひろみ, 小原節子, 高木弘, 森本剛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1984
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:目的:腎移植後の拒絶反応4例に, 血漿交換を行ない, 腎機能の変化と, ランダムパネルに対する抗体の変化を見た. 方法:2例にIBM cell separatorを使用, 2例にhollow fiber separatorを使用した. 置換液はPPFを使用した. Cytotoxic antibodyはmicrocytotoxicity法に依った. 標的細胞は20人以上の非血縁の健康人より採った. 結果:3例の急性拒絶反応では, 血漿交換後2例に腎機能の回復を見, 1例では軽度の改善を見た. 慢性拒絶反応例1例では, 血漿交換にて腎機能に変化はなかった. 腎機能の回復を見た急性拒絶反応例では, 1例に於てB cell抗体の消失, 1例に於てT cell, B cell抗体の消失を見た. 他の2例では, 血漿交換療法前後に抗体は検出されなかった. 結び:腎移植後の拒絶反応治療の一つとして, 血漿交換療法は有用であった.
ISSN:0546-1448