アンジオポエチン様増殖因子(AGF)の血管新生および抗動脈硬化作用の分子機構

われわれはこれまでにアンジオポエチン様増殖因子(AGF)を発現させたマウスの皮膚において著明に血管新生の誘導が確認されAGFに血管新生作用があることを示し(Oike et al:PNAS 2003), 精製AGF蛋白が血管内皮細胞を用いたin vitroの実験で血管内皮細胞の遊走能を促進させること, およびin vivoでもマトリゲルやマウス角膜血管新生誘導実験において血管新生を誘導することを報告してきた(Oike et al:Blood 2004). 本研究では, まずマウス下肢虚血モデルに対してGFPを発現するアデノウイルス投与を対照コントロールとしてAGFを発現するアデノウイルスを投与す...

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Published in心臓 Vol. 39; no. 12; p. 1149
Main Author 尾池雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.12.2007
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ISSN0586-4488

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Summary:われわれはこれまでにアンジオポエチン様増殖因子(AGF)を発現させたマウスの皮膚において著明に血管新生の誘導が確認されAGFに血管新生作用があることを示し(Oike et al:PNAS 2003), 精製AGF蛋白が血管内皮細胞を用いたin vitroの実験で血管内皮細胞の遊走能を促進させること, およびin vivoでもマトリゲルやマウス角膜血管新生誘導実験において血管新生を誘導することを報告してきた(Oike et al:Blood 2004). 本研究では, まずマウス下肢虚血モデルに対してGFPを発現するアデノウイルス投与を対照コントロールとしてAGFを発現するアデノウイルスを投与することにより下肢切断のイベントに差異がでるかどうか検討した. 結果としてAGF群において明らかに血流の回復が亢進し下肢切断のイベントが減少した. 免疫組織学的解析により血管新生(angiogenesis)の亢進と血管造影検査によりarteriogenesisの亢進の両者により血流が回復していることが明らかとなった.
ISSN:0586-4488