同種抗体の早期出現をみた自己免疫性溶血性貧血(Rh型特異性自己抗体陽性)の一症例
自己免疫性溶血性貧血には, すべての血球と反応する非特異性と, ある血液型とのみ反応する型特異とがある. 型特異性では, その大部分が, Rh型であると言われている1). 著者らはRh型特異性自己抗体陽性の自己免疫性溶血性貧血の1症例を経験したので, 自己抗体価の推移, および, 輸血後の同種抗体出現の追跡経過を報告する. 症例:M.Y.38歳, 男性 主訴:腹部腫瘤, 全身倦怠感 現病歴:昭和47年, 全身倦怠感にて近医を受診し, 高度の貧血, 脾腫を指摘され, 溶血性貧血と診断された. ステロイド抵抗性を示し, その後も貧血, 黄疸をくり返し, 昭和55年に血液3単位を輸血された. 昭和5...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 28; no. 6; pp. 569 - 571 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
01.12.1982
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0546-1448 |
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| Summary: | 自己免疫性溶血性貧血には, すべての血球と反応する非特異性と, ある血液型とのみ反応する型特異とがある. 型特異性では, その大部分が, Rh型であると言われている1). 著者らはRh型特異性自己抗体陽性の自己免疫性溶血性貧血の1症例を経験したので, 自己抗体価の推移, および, 輸血後の同種抗体出現の追跡経過を報告する. 症例:M.Y.38歳, 男性 主訴:腹部腫瘤, 全身倦怠感 現病歴:昭和47年, 全身倦怠感にて近医を受診し, 高度の貧血, 脾腫を指摘され, 溶血性貧血と診断された. ステロイド抵抗性を示し, その後も貧血, 黄疸をくり返し, 昭和55年に血液3単位を輸血された. 昭和56年4月に, 摘脾を目的に本院に入院した. 入院時現症:軽度黄疸, 軽度貧血を認める. 肝臓は触知せず, 脾臓を7横指触知した. |
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| ISSN: | 0546-1448 |