病病診連携からみた下肢外傷・手術後のリハビリテーション

下肢外傷・手術後の症例においても近年, 基幹病院から我々のようなリハ専門病院に後療法を依頼する症例が増加している. 連携体制をとることにより, 十分な入院期間, 納得のいくリハビリが可能であり, ゴール未達成の場合でも, disability克服への発展, 障害の受容, および介護の確保, 家屋改造, 転帰先の変更などが綿密に行える. 意義と問題点を考察した. 対象は, 他院にて初期治療を受けた下肢外傷, 手術後の患者で39名, 平均年齢67.5歳である. 手術後, 当院入院までの期間は平均39.4日, 訓練開始時のレベルとしては, 部分荷重16例が多かった. 22例においては後療法は遅れ,...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 12; p. 913
Main Authors 津留隆行, 鬼木泰博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:下肢外傷・手術後の症例においても近年, 基幹病院から我々のようなリハ専門病院に後療法を依頼する症例が増加している. 連携体制をとることにより, 十分な入院期間, 納得のいくリハビリが可能であり, ゴール未達成の場合でも, disability克服への発展, 障害の受容, および介護の確保, 家屋改造, 転帰先の変更などが綿密に行える. 意義と問題点を考察した. 対象は, 他院にて初期治療を受けた下肢外傷, 手術後の患者で39名, 平均年齢67.5歳である. 手術後, 当院入院までの期間は平均39.4日, 訓練開始時のレベルとしては, 部分荷重16例が多かった. 22例においては後療法は遅れ, 患者の意欲や状態をみながら判断せざるをえなかった. 入院期間平均は92.3日. 受傷前歩行の達成は38例中25例(65.8%). 転帰先は自宅退院が28例(71.8%). 入院中問題となった合併症は18例(46.2%)にみられ, 入院途中で重症合併症治療のために基幹病院に再転院となったものは7例. 痴呆は9例(23,1%)に認め, 4例に薬物, 経管栄養, 重点監視が必要であった. 問題点としては, 多彩な合併症の管理, 痴呆, およびプログラムの消極性があげられた. 今後は画像情報のオンライン化と診療所レベルの連携が課題としてあげられる.
ISSN:0034-351X