肝疾患におけるエンドトキシン血症 測定法の吟味と新しい血漿処理法による成績
血液を種々の条件で前処理した後,トキシカラーテスト,エンドスペーシーおよびS-2423を用いて合成基質法で慢性肝疾患患者の血中endotoxin (Et)濃度を測定した.過塩素酸処理法での遠心上清中へのEt回収率は希釈加熱法での回収率より低率であり,過塩素酸処理後上清から失われたEtはtriethylamine (TEA)で可溶化することにより沈殿中から回収された.肝硬変では,従来の希釈加熱法や過塩素酸処理法で検出できなかった多量のEtがTEA添加後酸処理沈殿中に検出された.アルコール性肝障害では過塩素酸・TEA処理法(最終血漿希釈率12倍)で求めた総Et濃度は血清albumin, choli...
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          | Published in | 肝臓 Vol. 31; no. 5; pp. 536 - 542 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本肝臓学会
    
        25.05.1990
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| Subjects | |
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| ISSN | 0451-4203 1881-3593  | 
| DOI | 10.2957/kanzo.31.536 | 
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| Summary: | 血液を種々の条件で前処理した後,トキシカラーテスト,エンドスペーシーおよびS-2423を用いて合成基質法で慢性肝疾患患者の血中endotoxin (Et)濃度を測定した.過塩素酸処理法での遠心上清中へのEt回収率は希釈加熱法での回収率より低率であり,過塩素酸処理後上清から失われたEtはtriethylamine (TEA)で可溶化することにより沈殿中から回収された.肝硬変では,従来の希釈加熱法や過塩素酸処理法で検出できなかった多量のEtがTEA添加後酸処理沈殿中に検出された.アルコール性肝障害では過塩素酸・TEA処理法(最終血漿希釈率12倍)で求めた総Et濃度は血清albumin, cholinesterase, HDL-cholesterol, transferrinと有意の負の相関,血清bilirubinと有意の正の相関を示した.過塩素酸・TEA処理法で測定した血中Et濃度はかなり忠実にアルコール性肝障害におけるspillover endotoxemiaを反映しているものと考える. | 
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| ISSN: | 0451-4203 1881-3593  | 
| DOI: | 10.2957/kanzo.31.536 |