血球貪食症候群を発症した小細胞肺癌の1例

55歳,女性. 2002年7月進行型小細胞肺癌の診断のもとに,全身化学療法を行い, partial response (PR)を得た.しかし平成15年1月多発性脳転移にて再燃再入院した.全脳照射,メソトレキセート(MTX)の髄空内投与を行ったところ,汎血球減少をきたした.その原因として,全脳照射, MTXの髄腔内投与, disseminated intravascular coagulation (DIC)の関与等も想定されたが,骨髄所見より血球貪食症候群が原因と診断した.二次性の血球貪食症候群としては,感染症・悪性腫瘍・自己免疫等が報告されているが,悪性腫瘍,なかでも肺癌に伴うものは少ないた...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 94; no. 4; pp. 756 - 758
Main Authors 辰田, 仁美, 坂本, 浩一, 島田, 健, 南條, 輝志男, 垣本, 哲宏, 高木, 伴幸, 細, 隆信, 菊岡, 弘芳, 近藤, 溪
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.04.2005
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.94.756

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Summary:55歳,女性. 2002年7月進行型小細胞肺癌の診断のもとに,全身化学療法を行い, partial response (PR)を得た.しかし平成15年1月多発性脳転移にて再燃再入院した.全脳照射,メソトレキセート(MTX)の髄空内投与を行ったところ,汎血球減少をきたした.その原因として,全脳照射, MTXの髄腔内投与, disseminated intravascular coagulation (DIC)の関与等も想定されたが,骨髄所見より血球貪食症候群が原因と診断した.二次性の血球貪食症候群としては,感染症・悪性腫瘍・自己免疫等が報告されているが,悪性腫瘍,なかでも肺癌に伴うものは少ないため報告する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.94.756