塩酸マニジピン投与によりCAPD排液の白濁および限外濾過量の増加を示した1例

塩酸マニジピンによると思われるCAPD排液白濁を生じ限外濾過量の増加を示した症例を経験した. 症例は43歳男性, IgA腎症による腎不全にて平成3年8月8日よりCAPD導入. 導入後順調に経過していた. 平成4年2月頭痛のため近医受診, 高血圧を指摘され, 塩酸マニジピン20mgを夕食後に服用したところ, 翌朝著明な排液量の増加と排液の白濁をみた. この症例で塩酸マニジピンのPETに及ぼす影響をみるために, 塩酸マニジピン投与時, 非投与時にPETを施行したが, PETカーブに変化は認められなかった. よって塩酸マニジピンの除水増加の原因は透析液の糖の血中への移行の速度遅延ではなく, 血管拡張...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本透析療法学会雑誌 Vol. 26; no. 9; pp. 1553 - 1556
Main Authors 三浦, 洋, 下村, 貴文, 久木山, 厚子, 福井, 博義, 早野, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本透析医学会 28.09.1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0911-5889
1884-6211
DOI10.4009/jsdt1985.26.1553

Cover

More Information
Summary:塩酸マニジピンによると思われるCAPD排液白濁を生じ限外濾過量の増加を示した症例を経験した. 症例は43歳男性, IgA腎症による腎不全にて平成3年8月8日よりCAPD導入. 導入後順調に経過していた. 平成4年2月頭痛のため近医受診, 高血圧を指摘され, 塩酸マニジピン20mgを夕食後に服用したところ, 翌朝著明な排液量の増加と排液の白濁をみた. この症例で塩酸マニジピンのPETに及ぼす影響をみるために, 塩酸マニジピン投与時, 非投与時にPETを施行したが, PETカーブに変化は認められなかった. よって塩酸マニジピンの除水増加の原因は透析液の糖の血中への移行の速度遅延ではなく, 血管拡張など他の原因が考えられた.
ISSN:0911-5889
1884-6211
DOI:10.4009/jsdt1985.26.1553